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リネンや麻を織る日々をつづっています。
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リネン日記
同じこと
2020年07月06日
若い世代の人が自分の夢で独立しようと考えているけども、サラリーマンとして給料をもらって働くのとはまったく逆の立場になるわけで、その方にいうのも、自分が住む場所の家賃や国民健康保険と年金だけで、毎月10万円くらい消えてゆくから、今までみたいにサラリーマンとして仕事していれば毎月手取りで10万とか20万が当たり前でも、独立したら仕事してマイナス10何万円から始まるという話になりがち。

家業を継いだ繊維関係の社長さんと話をする機会も多いので、普通に外で働いたほうが楽だろうという話もおおく。次の世代が前の世代に養われているかというと前の世代が次の世代に面倒をみてもらうことを期待している場合のほうが多かったりする。繊維関係の勢いのあった世代で多いのがやればやるほど借金をどんどんとつくってしまうタイプで今残っている人たちはそういうタイプじゃない人たちがほとんど。それゆえに、繊維関係のものづくりの世界というのは、地道で競争も激しく硬直化していることが多いので、すでに何十年やっておられお店も構えておられるところでも成り立たせるのが難しい、若い人が自分でこれからやっていくとなると本当に難しいだろうなあと思う。しかも、競争は国内にあるのではなく、日本企業といっても海外でやって商社的に人件費や物価の差で利益を生みだすスタイル。

私の中に、本当にやりたいと思うなら後で後悔するよりもやってみて失敗に終わっても経験するのは良いことだろうと思う。自分の人生だからやるなよりは、それが自分の人生の夢なら夢で終わらせずやってみて現実と向き合って考えてみるも自分の人生としては大事なことだろうと、自分自身にあてはめても思う。やって駄目なことも多いし、それでもやってみないと駄目かどうかも分からないだろうと思う。同じことをやるにしても、場所の問題もあるだろうと思う、うまく行きやすい場所もあれば、うまく行かない場所もある。うまく行きやすい良い場所でオーダーの服を作っておられる第一人者の方でも地道な努力の積み重ねでしかないような現実もあって、夢だけではないあたり。若い人も抱えられているけども、自分が今までやってきたようなのと同じ感覚で仕事に向き合える人というのは少ないというお話。

自分が独立してやろうと思うことで食べてゆくのが難しいという経験を早くにもっていれば、普通に仕事があることに感謝もできたりするし大変なのは成り立たせることという部分にも気が付くだろう。何十年の経験者でも成り立たせるのが難しいのは当たり前におもっているから、早めにそういうのに気が付くと、サラリーマンがすごく恵まれているなあと思えるようになれば、独立しても成り立ちやすいんじゃないかと思う。吹っ切れて仕事に集中できるようにならないとこれは自分の人生と違うとか思いながらやってても、自分が自分の境遇に納得できないまま一生終わるより、とりあえずできることからやってみるのが大事。