for English speakers: Welcome to HayashiyoWelcome to Hayashiyo
リネンや麻を織る日々をつづっています。
ホームリネン日記サンプル
リネン日記
サンプル
2020年08月08日
朝早くに動き出して昨日始めた整経を終え巻き取り、今は、整経屋さんというのが消えてゆく運命にある。整経という作業も単純そうに見えるけども、織る人よりもしっかりしていないと整経の失敗は致命的な失敗につながる。

あと、整経の作業はやった作業を確実に記録しておかないと、次の時に同じものを作ることが難しい。糸の管理や糸の計算ができる人でないと整経はできない。このあたりが、整経作業は工場の中でもできる人がやっていないとあとあと大きな問題につながる。プロの整経屋さんという仕事があるのもそのあたりが関係している。整経の負担が亡くなれば、織物工場は仕事量は半分以下に減るだろう。

また、経糸をつなぐ仕事も専門の業者がいたりする。この作業もなければ織物の作業量はまたさらに半分に減るだろう。麻織物の場合には加工だし前の検反作業や補修作業が織るのと並行して行われる。織物工場で実際に織るという部分はメインのように見えるが本当に一部の部分でしかなく、糸切れで止まった織機を再開する作業というのは車を運転するのと似たような感覚で、誰でもが携わりやすい仕事。

もちろん、糸調子などの調整は含まれるので、それが上手な人と上手でない人の差だけでも、大きな差となる。今織っている織物も、耳までもが大事な織物。織物を織ることは簡単でも耳まできれいに織るとかなってくると何倍も難しい仕事となって、できる人とできない人の差が出てくる。

織れば売れる量産の時代というのは、作業的な負荷の低い織る部分の仕事のウェイトが大きくなる。それが小ロット生産の時代に移行すると、織る部分の仕事のウェイトは極端に減って、全体の作業負荷は何倍にも増すことになる。