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リネンや麻を織る日々をつづっています。
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リネン日記
麻の風呂敷
2020年10月09日
昨日は、京都から独立して裁縫関係の仕事を始められた方が、麻の風呂敷生地の確認に来られた。雨の中、多賀大社で、お参りと多賀大社名物のそばを食べた。私はてんぷらそば大盛、がっちり系の3玉分くらいの分量のそばが入っていて、出汁も多い目で、私好みの盛り付け感でうれしかった。

多賀大社も雨のせいか参拝客は少なめで、お昼時なのにそばを食べていたのは私たち二人だけ。換気をよくしてあるためか、肌寒い感じのソバ屋さん店内。私の着ていたのがTシャツに短パンと、まだまだ夏姿。それが一番の原因だろう。

その後、会社で風呂敷生地の確認、後染めにされるとの話で、風呂敷にすると2枚分染色テスト用の分を持って帰られた。そのほかに小物用に生地をみられ、目の詰まった派手目の小さなチェック柄がよいとのことだけども、なかなか小さなチェック柄の在庫が見当たらない。

夕刻には別のお客様から、本麻のチェック柄の件で問い合わせ。本麻のチェック柄というのは普通に見えるかもしれないけども、本麻で縦に染糸で柄を組んで使うというのは、もう過去の話になりつつあるくらいに、技術面でもコスト面でも難しい話になってきた。とくに、リネンじゃなく、ラミーの本麻のチェックは、柄が大きくなるといろんな問題も見えてくるし、配色によっては糸の収縮率の違いで、表情が変わってくることなどもあり、ものづくりのリスクも伴い、覚悟も必要な話。

ラミーというのはどうしても、柔らかくすると安っぽくなり、高級感や光沢感を出そうとするとどうしても硬さが残る傾向にあるので、そのあたりが、今の柔らかいものばかりがあふれている服飾市場では受け入れられることが難しくなってきた。風合い的には綿麻くらいを求められることも多い。数回着用され洗いなどが掛かると本麻の風合いが柔らかくなって馴染んでくるのだけども、一番最初の試着で硬さみたいなものを感じられ、柔らかいものはないかとおっしゃられる方も多い。一般的に、業者の方などは特にその傾向が強く、市場から硬さを感じる素材が消えてしまっているように思ってしまう。