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リネンや麻を織る日々をつづっています。
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リネン日記
生成のこと
2010年06月04日
今日は、朝、リネンの生成が届きました。箱を開けると思ったよりも明るい色の生成りが入っており、前回のものとは紡績メーカーが違うのかなあと思ったりですが、たまたま、お客様のほしい色が明るい色の生成りだったので良かったです。でも、こういうのはたまたまの出来事ですので、こういうラッキーなことが続くわけではありません。後の問題を少なくするためにも仕事をするときには糸の確保というのは非常に大事です。

リネンの生成にはさまざまな色味があって、産地によってフラックス原料の色の違いがあるだけでなく、レッティングと呼ばれるフラックス原料の作り方によっても変わってきますし、気候によっても変わってきます。他にも、フラックス原料の産地の問題ではなく、紡績工場の技術水準や作業基準によって、生成の色味が大きく変わってくるのです。

生成の色というのは付けるのではなく、色を抜いて調整していきます。生成の色にその紡績工場のセンスが良く表れてきます。林与が好きだなあと思うのは、昔のアイリッシュリネンのゴールデンアイリッシュと呼ばれるカラーですが、今はもう手に入らないと思います。カラーの安定性の面からも、良質のリネンの産地としては最大の、フランスやベルギー産のグレーっぽい生成を基調にしています。

いつも同じような色味を使っているので、少し色が違うだけで、黄色いなあとか、濃いなあと感じることができます。リネンの布を触っていると、朝と夜では感触がちがうことが多いですし、加工してから時間が経つと湿気を吸って良い感じになってくることが多いものです。

生成というのは、色の安定性がないので、アパレル向けには生成の代わりに生成りに似た色で染めた染め糸を使うこともあります。生成というのは、生の草っぽい性質が残っているので、気をつけないといけないことも多いものです。