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リネンや麻を織る日々をつづっています。
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リネン日記
手仕事
2010年06月07日
同じものでも使う人が違うと長持ちしたり、素敵なものに変わるというのも感じる出来事がありました。先日、お越しくださいましたお客様が、早速、リネンの布にハンドヘムを入れてくださった写真をお送りくださいました。わー、っと思ってしまうような出来事です。

一日掛けて、丁寧に一つのラインを完成して、これって、ほんと昔の手仕事の世界ですよね。今の時代にそのような作業に没頭できる方にお会いできることは、プライスレスな価値観の世界だと思います。林与も一つの布を作るときに糸探しから初めてそれを織れるまで何度もトライアルすることがあります。特に新しい糸とであったときには、半年、一年考えて形にしていきます。途中、満足できずに一からやり直したり、織ったものを加工に出して、自分の中での合格点まで近づけて行きます。

そういう布という完成品にたどり着くまでにいろいろな苦労があるからこそ、たとえ、無地の布を見たとしてもいろいろな思い出がよみがえってくるのだと思います。ロットが違うだけで同じ加工をしても風合いがまったく違うように思えることも多いのです。朝触ったときちょっと違和感を感じる布でも、心配で、夕方触ると程よいとか、ほんと、天然を感じるのが本来のリネンや麻布です。

近江米を産する田園に囲まれた湿潤な気候の中で、加工をあがってから、だんだんとリネン布の味が増していくのも感じることができます。寄せ集めではない昔ながらの価値観を守ることで、本場の近江湖東産地の麻織というものを守っていければよいと考えております。