for English speakers: Welcome to HayashiyoWelcome to Hayashiyo
リネンや麻を織る日々をつづっています。
ホームリネン日記お疲れ
リネン日記
お疲れ
2021年05月07日
スタッフにとっては、林与の仕事は、学生のときとは、まったく違う動きだったろうと思う。実際の仕事を受けてこなすということは、なかなか長年の経験者でも難しい仕事で、地道な作業の積み重ね、いわば、自分の時間と苦労が布に置き換わるような作業。

仕事を始めて1か月でシャトル織機でかなり高度な高密度の織物や、本麻の黒など、私でも気合の必要なくらいの織物を経験してもらう。もちろん、失敗が起こるのはわかってそれを乗り越えてもらうのも大事なことの一つで、今まではっきりとわからなかったことなどが一つ一つわかり始めてきただろうと思う。とにかく、負荷の高い一週間を全力で動いてくれてご苦労様でした。

インターン生は麻組合で手整経を学んでよい経験になったようである。織物工場での本生産の仕事とは違うような、手織りの世界を知って、将来、そういう方向に進むことを考えたり、そういう素材を使ってみることや扱ってみることを考えたり、広い視野を持つことは大事だろうと思う。

私がよくいうのに、手織りで食べていくことはなかなかむつかしい世界なので、織物工場で働いて、余力で手織をするみたいなのが現実的ではないのかと思ったりを話したりする。逆もまた真で、織物工場で働いている従業員というのは仕事として織物をやっているだけで、自分で織物を手織しようとしたりはしないもので、そのあたりが趣味の手織の人よりモーティベーションの面で弱く、作業に発展性や総合性がないところだろうと思う。

麻に関する知識にしても、本職の人間よりも趣味のお客様のほうが知識が豊富だったりして、本職ならお客様や専門家以上に広く深く、自分の経験に基づいた知識を持っておくのが理想だろうとは思う。