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リネン日記
新幹線とリニア
2021年09月13日
新幹線が愛荘町を分断しながら走っている。その騒音というのもかなり衝撃的なものがある。それでも人々はそれを受け入れて新幹線は50年以上走っている。そういう意味ではすごく効率がよく持続性のある形、でも今、日本ではリニアを開通しようと動いている。

たとえば、びわこ空港という話があったりした。空港が滋賀県に必要かという問題。関空に行くのに電車で2時間半ほど。電車でも十分な気がするのである。作った後に需要がなければそれがまた大変な話になる。

リニアを開通したときにも同じ問題が起こるだろう。従来の新幹線の乗客は減る話で、2分の1になったときに、従来の新幹線の運営だけでなく、それなりに栄えていた新幹線の駅周辺が危うくなる話。運行も減るだろうし、また、運賃が上がる可能性もある。

時速300kmほど出ている新幹線と500kmのリニア。同じスピードで走らせても、リニアのほうは消費電力は2倍だそうで、2倍のスピードだと同じ距離で4倍ということらしい。東京大坂間を2時間が1時間になるときに4倍の電力を使うそうだ。原子力発電所3基分とかが必要になるという計算らしい。サステイナブルな社会を目指すということを意識する前の長大的なリニア計画。

日本の若者たちが、大阪東京間を7時間ほど掛けて夜行バスで移動していることが多く、そちらのほうが地球環境にも優しいのではなかろうかと思えたりもする。飛行機なんかでもそうだけど、もう、昔のように人が詰めて働かなくなったときには、リニアが新しい技術であっても新幹線に及ばないことも多いだろう。

人々が2時間のところを1時間で移動を済ませるという欲。満たすべき欲なのか我慢すべき欲なのか。リニアというのは、私が子供のころから将来の実現に向けて国が推進してきた技術で、いわば、高度成長期からバブル崩壊前の夢の技術の一つ。50年計画だったりする。新幹線の10倍近くの時間が掛かってしまっている。当初だと2000年ころには十分運転開始が予定されていた技術だったろう。

スペースシャトルの技術もその頃がピークだったといえるが、今、宇宙旅行に行こうとしても昔のように簡単じゃあなくなってしまっているあたり。サステイナブルを意識し始めた今の時代には、次の世代に負担を残さないように考えてものごとをやっていく必要があるだろう。オリンピックの新国立競技場ですらもその維持が成り立つのかどうかという問題がすでに上がってしまっていてその場しのぎにやってしまうと後で変更するのは難しい話で、新しく建てたものなのに、維持できずにつぶしてしまおうかというもったいない話につながる。北京オリンピックやリオオリンピックで新しく建てられた巨大な建物がオリンピック後に廃墟になってしまっているのが普通で、使わずに立ち入り禁止で、いつか建てた半分くらいの費用を掛けて撤去するとか、ほんと不思議なことも多い。