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リネンや麻を織る日々をつづっています。
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リネン日記
悲しみ
2021年10月02日
6年ほど前までいろいろとお世話になった大坂の問屋さんが廃業されていたのをネットで検索して廃業されたのと知ったのが今日のこと。私が一番最後、社長のお電話での会話がうまく話せておられないのを感じてご病気を心配していたのだけど、元気だとおっしゃっておられたので大丈夫なのかなあと心配していた、のが最後。

その問屋さんの一番の得意先のアパレルさんもお世話になったのだけど解散をされていたのを調べてしった。日本の紳士服業界では最高峰のものづくりをされていたのだけども、全国の百貨店を主体に展開されていただけに、コロナの影響は一番くらいに受けられていただろう。

最後、長年、お世話になった方々にお世話になったお礼もいえずに終えられてしまったのが残念である。同業者の方にお尋ねして詳細を教えてもらって実際にその問屋さんも生地を使ってくださってたブランドさんも昨年廃業されていたのを知った。

コロナ以前にも昔からの形態の繊維業界は難しくなっていたのだけども、このコロナ禍の2年間でまったくもって昔ながらの形態が成り立たなくなったのを感じる。林与もたまたま残れていたりもするけども、残っていたら残っていたでそれはそれで成さないといけないことは多かったりする。

企業というのはある程度大きくなると、自分がどうするというよりも、世の中の流れ次第なところがあって、自分の頑張りでは無理なことも多いだろうと思う。特に、分業化が進んでいると一人が無理をしたところで何の意味もなかったりするし、他の人の仕事に手を出すとややこしい話になるだろう。人を多く抱えているところほど、存続の局面でも、無理はできなくなる。

世の中の流れに逆らうことで、他とは違うような世界が出来上がり、作るものも普通とは違うものにたどり着ける気がする。気がするだけかもしれないけど、林与が残っているのも、商品云々がじゃなくて、ものづくりに対する考え方の違いがあって、そこに同調してくださる方がいてくださるからだと思う。

コロナで日本が特別だと感じたのは、お母さん方が家族のために手に入りにくいマスクを自作するような考え方。ほんと日本の昔の世界を感じて、そういうのはもう他の国では考えにくいくらいにない世界。そしてそれを大事に使って身を守る。最初布マスクを馬鹿にしたのは日本の政府で、結局、海外で20円から30円の布マスクを国民の税金使って何百円に化かして業者に中抜きさせて、国民が困っているときに国民を余計に苦しめるような愚策ばかり。