2021年10月08日
コロナで百貨店不況アパレル不況で、仕事以外で面識のあった京都の染色工場が繊維業から撤退されたという話を間接的に聞いていたが現実のようである。その1年ほど前には一つの仕事の案件で生地を送った際に会社を他の会社の資本下に置かれるというようなお話だった。逆にいうと、その判断というのは消費税増税の後の業界が難しくなる流れの中で、潮時のようなものを見極める目を持っておられたということでもあろう。
社長と話をしているときに後継者が身内にはおられない問題を言っておられたのだが、従業員が企業を後継していくということは今の日本の雇用形態の中では難しいだろう。特に、人を抱えて、設備を抱えている製造業においては、後継するときに職人的な部分ばかりがクローズアップされがちだけども、他の人の生活の面倒を自分が見るというような考えの従業員がいるのかどうかというところで、経営というのはそういうところであろう。
地元の金襴織物の工場も、社長が新しい設備を常にいれて福利厚生などもよくしておられ10人くらい人がおられるような話だったけども、社長がなくなられると社長の代りに会社を続けていけるような存在の人というのはおられなかったようで廃業された。
コロナがなくても、日本の大企業は別としても、昔ながらの家族経営的な繊維業界というのは利益を求めないスタイルで従業員を守ったり続けていけることを第一に考えて仕事を続けているところがほとんどで分配して成り立ってきていた。それがコロナで売り上げが、何分の1に落ちるとかとなると、実は、小売業界や旅行業界以上に、分配でなりたつ多くの人々を細々と支えてきた繊維業界は、コロナのダメージを大きく受けた。
日本で利益が上がってないのを格好悪いように思うかもしれないけど、何千億の利益を上げるというのは独り占めしているだけのことで下請け企業に分配していないだけのこと。または、本来は中小零細でも当たり前に負担している消費税の還付のからくりの恩恵でなりたっているような消費税の負担もしたくないどころか消費税増税から恩恵を受ける輸出型企業型が多い。ほめられたことじゃないと思うけど、なぜか、そういう企業が優良企業的に社会的にはみなされることが多かったりする。10%の消費税も納める必要なく還付受ければ有利なのは当然のこと。本来は国に入るお金で、厳密に運用すればそれもよいけど、税務署によっては消費税がマイナス何千億円とか。消費税が企業に流れ込んでいるだけのことで、企業が利益を上げる構造が裏にはある。国内分まで合算して還付してるようなずさんさがあるからだろうけど、そういうからくりがあるのが消費税の輸出型大企業からみたメリットで、増税したいのは当たり前だろう。
地道に人々の生活を支えようとする旧来型の地場産業と、消費税増税で利益を増やしたい勝ち組の輸出型優良企業。どちらがまともなのかを考えるときに、後者をまともに考えていたら、日本の国の税収はまったく成り立たなくなるからくり。本来消費税を負担している立場なら、消費税増税の重荷は分かるはずだけど、消費税を国と同じ様な立場で取る側の輸出側大企業。国の力を借りて消費税を自分の懐にできるからくり。それが日本の優良企業が何千億もの利益に満足できずに消費税増税を主張して国民を食い物にするような輸出型大企業経営の根本的な問題。