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リネンや麻を織る日々をつづっています。
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リネン日記
展示会受注形式
2021年10月17日
コロナ禍で、展示会受注ベースでの生地の生産というものは成り立たなくなって、コロナを機に今後は消えて行く可能性がある。高級路線というのは展示会受注形式だったところが多く、それがコロナでまったく成り立たなくなって商売を閉じられたところが多い。

展示会受注形式というのは、新しいものを企画してそれを受注の入っただけ生産しようとする方式。コロナ禍だと、展示会そのものが流れてとか、展示会にバイヤーさんがお越しいただけずに、発注をいただけないも普通にある話で、サンプルの時にサプライヤーには負担をしてもらって、本生産が流れてしまったり、小ロット生産でサプライヤーがさらに負担か、本生産を辞退したりとかもありうる。

展示会やって入っただけは必要だから、それに応じて生地を作ってというのは、値段を度外視ならできるけどもそんな約束は本当に難しいので、そんな約束を前提に話をしたら後でややこしくなるだけ。受注が不透明な場合には、在庫の範囲でなら対応できるからその範囲でつくられませんかというような提案をすることは多い。

高級アパレル路線は展示会受注形式が多かったから、その路線で企画に応じて発注を受けていた機屋さんは、このコロナ禍では企画も流れて発注もなくなすすべがなく、閉じられてゆくところが多い。正社員的な雇用形態と、委託的な展示会発注形式が相容れないところもあって、コロナ禍で、高級アパレルでのオリジナル生地に関しては、繊維業界の展示会受注形式という慣習が淘汰されるタイミングとなったのではないかと思う。(プリント生地や後染め生地などは生機があれば対応しやすいので、展示会受注形式が続くとすればプリントか後染め生地という形で残っていくだろう。)