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リネンや麻を織る日々をつづっています。
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リネン日記
小ロット生産
2021年11月02日
一番困るのが今企画している生地を少しだけ見たいみたいな生地の話で、そういうのが簡単にできないというのを知っておられない方と話を進めようとして相手が最後、進行してしまう企画が危うくなったときに投入した材料や労力を負担できるのかというあたり。

アパレル企画で問屋さんで何十年の方々ほどそういうのを知っておられない方が多かったりするもので、糸や物性の問題など含めて対応できる人というのは少ないのが普通。アパレルさんでもそういうのに経験が多い人だとデメリット表示つけるなどして対応できるとか、ケアラベルなんかも自分のつくる商品に応じて自分でラベルを用意される。

自分で洗ってみて大丈夫なのかどうなのか、検査数値がどういうものなのかなど、問題に見える部分を分かっておられる方なのかどうなのかで、提供できる生地も変わってくるし、同じ生地でも生地を提供しても大丈夫な相手とそうでない相手も変わってくるという話。

値段にしても同じことで、卸の場合には一律に生地の値段が決まるわけでもない、生産のボリューム、物性的に高い基準を求められる場合には、それなりに生地値段は高くなってしまうし、基準の限界ももちろんあったりして、糸のスラブがまったく認められない状態では麻生地提案は難しくなる。斜行などのボーダーゆがみが駄目とかも同じく麻生地では難しい。結び目が駄目とかのブランドさんもあったけどもそういうのもそもそも無理な話。もっと大きな問題がたくさんあるのに自分たちの基準だけ上げて現実外れの理想論で生地の問題を眺めても仕方ない話だろうし。それだと麻以外の繊維をチョイスすることになる。麻なんて草が糸になっているのが不思議なくらいの世界なのにいつのまにかそれも忘れられてしまっている。

作る作業というのも忘れられてしまっている感じで、生産期だと糸を手配して染めるだけで普通は1か月とかそこらから糸をチーズアップして1週間2週間、整経作業と縦繋ぎ1週間、1日シャトルで15m、レピアで20m織れるとして500mだと35日~25日、そこから加工で、生産期だと2週間から1か月。足してみると3か月がぎりぎりのところ。1月末に必要なら11月頭くらいには発注が完了していないと難しい。これは問題が起こらないケースで、物性検査が必要となると余分に1か月くらいは見ておかないと検査に出して結果が車で1週間、再加工するなど2週間とか、そして再検査でぎりぎり。