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リネンや麻を織る日々をつづっています。
リネン日記
GDP
2021年12月09日
先日、繊維の機械関連のある方と話をしていて今年のほうが繊維業界は状況が悪いという話をしておられた。GDPも3.7%ダウンという数値をネットでみた。この状況だと普通はいろいろな試行錯誤があって成り立つ道を見つけていかないといけないのだけども、何もしないという選択を国は国民に与えているあたり、雇用調整給付金を配るのはよいけども、仕事で試行錯誤する一番のチャンスではないのかと思うが働かせないというのを当たり前に選んでしまうあたりが、国の役人的な苦労して働いていない人の考え方だろうと思う。給付してもっとがんばって働きましょうくらいでないと本来はプラスには働かないだろう。

話のなかで、アパレルはやはり厳しすぎるような状況で服地向けの需要というのはコロナ前の何分の1に落ち込んでいる。特に百貨店ブランド向けの高級ゾーンの回復は難しいのではないだろうか。コロナ禍で問屋さん関係は廃業による整理が続いるが、しかたないところもあるだろう。一般の消費者よりもものを買えない問屋さんが多すぎるから。自分がリスク持ちたくない人の企画というのは怖いし、やらないほうがまし。リスク持ちたくない問屋さんが多くなりすぎた。大手の生地問屋にしても本当に買うか買わないか分からないレベルで作らせて引き取りがないと機屋が資金援助しないといけないレベル。

問屋さんが10万円20万円の覚悟もなければ生地を企画するなんて無理な話で、アパレルが問屋にタダで宿題を与えてやらせるみたいなのをやめないと駄目だろうと思う。アパレルと問屋でも盛り上がってもそれを実際に形にするところが、それを援助するがごとくに持ち出して動くでは、まったく成り立たない話で、一番困るのはやり方をしていしてくるのは良いけども、そういう自分たちに都合の良いやり方で、あとで問題が起こると助けてほしいのパターン。最初にいろいろとテストしておかないとそんな素人が机上で企画してもうまく行くほうが難しい。失敗したものを売れるように途中から戻すには最初からやるよりも苦労する話。自分が企画まで指図して上がったものに駄目出ししてくるようなアパレルや問屋さんは駄目すぎるのだが、そういうレベルが今の繊維業界では多くなりすぎた。

私が問屋やアパレルやってたら普通に自分が生地を企画して新規の企画を1回でまともにものができあがるほうが奇跡に近かったりするから、それをどう料理するかも問屋やアパレルの実力だろうと思う。たとえば、林与の企画した生地を触ると問題が起こることも多い、問屋の社長に、スリップしてもよいから打ち込みを減らして樹脂も打たずに柔らかくしてほしいとかで、本当にスリップしてもよいんですよねでやったら、やっぱりスリップして縫い目滑脱、そういう背景を知らないあたらしい問屋の社員に、スリップして困ってる検査もとってないのかどうしてくれるみたいに言われたり。当たり前に検査取っても検査通りませんよ。スリップしてもよいからの仕様に問屋さんが無理としたのだから。素人的な売れればよいというのものづくりに振り回される。別にそういう問題も問屋さんが吸収出来ればよいのだけども、問題が起こると忠告もした側が悪いみたいな話をアパレルさんとやってしまっているのだろう。素人レベルでは生地の企画は難しい。

自分が生地規格などを指定したら上がった生地が全没であろうが受け入れることが大事でそれが生地企画の難しさ。自分が企画してまだ機屋や加工工場が救ってくれると思ってるくらいなら生地企画はそんなに甘くない。出来上がったものを救うのは本当に最初からつくるよりも難しい話が多い。あとでなんとかなるでやってしまっていると、あとでどうしようもない問題になることが多い。