2021年12月25日
今日も糸商さんとの話をしていて、市況がそれほどもよくない繊維業界でも原材料の高騰は避けられないような状況で、このあと半年で15%から20%以上の原材料価格の上昇が予定されている。海外依存で原材料の入手が難しくなれば当たり前に原材料の価格が上がって来てそれが毎年10%20%で製品価格を押し上げる要因に。
林与も今期の値上げはしないいつもの方針だけども、来期に向けては10%から20%くらいの上昇はありそうで、好景気というのではなく、まさにスタグフレーションそのものな状況が日本の繊維業界を取り巻きそう。そういう状況もしばらくすれば落ち着くのだろうから長い目で見て生産者の価格変動なども柔軟に受け入れてゆく必要があるだろう。値上げしているからといって優雅な値上げではなくてコスト上昇で成り立たないからの仕方なく値上げというケースがほとんどで、その価格上昇の方向性というのは一定の落ち着くタイミングまで達しうるだろう。
リネンにおいては不作で品質も悪く高値どまりという傾向がこのあと1年くらいは続きそう。不作が続くこともないだろうけど、1年2年はマイナスも覚悟して乗り切らないといけない状況。地球温暖化もリネンには影響を与えているということらしい。あと中国の電力不足も糸の生産に影響を与えているとか。半導体不足のように糸も不足するようなことになりそうな1年になるのかもしれない、
一方で、中国の不動産バブルは確実なほどにはじけてしまった感があり、下がることもあると分かったときには、不動産への投機熱は日本の不動産バブルと同様に冷えこむであろう。インバウンドを期待しての日本経済ではあるけどもインバウンドが期待できなくなったときにまた内需に期待するとかは外に甘く内に厳しく両面的に国内経済を消耗してしまう。
年金の資金を国内経済に回して守っておけば、国内の経済のより堅実な成長を守れたのではないか、なぜ、日本国内の資金で外国株式を買って、競合相手に塩を送って日本企業が守れるのだろう。そんな国は珍しいだろう。日本の国債を買ってくれる他国がどれほどあるのかという話。日本株式だけなら投機目的にはあるだろうけど、安定的に外資が日本の企業経営を支えるために資本提供してくれるなんて言うのはありえない話。日本政府がそれを他国企業に対してやってしまっているから国策として失敗だろう。日本と関係のない外国企業が投機目的以外で日本企業に資金提供してくれるなんてのは普通はありえない話。国内を支えずに海外を支えようとしているのだから、国内の内需型の製造業は本当にきつい話になるだろう。
でも、今のところ日本国内ではコロナが落ち着いて、それが他国と比べて一番良かったことに思う。経済問題よりはコロナ問題が収束するほうが大事に思う。