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リネンや麻を織る日々をつづっています。
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リネン日記
衣食住
2021年12月28日
衣食住というのは代替が可能な部分があって、寒ければ温かいものを食べてとか洋服を着てとか。今は住空間というものが優雅になって、季節を感じないようにエアコンが回り続ける。そういうのが結局は大きなエネルギー消費になってしまっているところはあるだろう。といいつつも、林与の工場の中も一つアラジンストーブを気休め程度につけていたりするのと、スープジャーにコーンスープの缶を浮かべておいてスープジャーが工場内に蒸気を一定程度発している。寒ければアツアツのコーンスープを飲んで体を温める感じ。

今日は、滋賀県は大雪そのもので外は思いっきり冷え込んでいる。彦根では観測史上最大の24時間積雪を記録。林与の周りも子供のころに経験したような雪景色で、軽自動車の屋根の上には50cm近く雪が積もっているような状況。夕方平和堂におでんの足りない具を買いに行ったけども、不思議なことに林与の車の屋根の上だけに雪が乗っている。他のみんなは車の屋根の上の雪をちゃんと落としてから車に乗っているのだろうか、夕方出荷にいっても運送会社の人に雪をちゃんとおろしてあげんとあかんよ、と冗談交じりに言われた。

この寒さというのは5年ほど前の強烈な雪を思い出す、年末年始2週間ほど捺染の作業に没頭した。あの時は寒さよりも捺染に没頭していて寒さで捺染したものが乾かないので部屋の中で暖房をつけて乾かしたのを思い出だす。型紙を彫ったり色糊を作ったり捺染したり乾かして洗いを掛けたりと、力のこもった布をつくりたいと絣染めに没頭した。2週間ほとんど作業をし続けて食べるよりも作業の連続。手作業がほとんどだったけども、年が明けてからは機材を作ることに没頭して手作業でやっていたことを小ロットでの生産が可能なところにまでもっていった。海外の展示会ではやはり多くの方の注目を得ることができて面白いなあと思ってもらえたと思う。

業務的な量産の布の世界よりも手づくり布のような面白さのある布の世界のほうが展示会においては多くの方を魅了する。展示会に来られるお客さんというのはデザイナーの方が多く、デザイナーというのは結局のところ機械で生み出されるものよりも、人の力で生み出されるようなものに価値を感じるのだろう。ブランドの購入担当みたいな人は逆に自分たちがロゴをつけて量産するための手ごろな素材を探したりするもので、デザイナーとは発想が異なるところがあるだろう。日本の着物の世界の布というのはまさに世界から評価が高いけども、アパレルの世界でも着物の世界のような人の力のこもった布を提案したいなあと思うところは今もある。

こういう雪に包まれて他の世界から孤立したようなとき、自分だけの独自の世界に籠れるのではないんじゃないかと思う。今年の年末年始は普通に作業に追われる感じになるとおもうけども、年末年始というのは籠って作業に没頭した経験がいろいろとあった。織物の仕事でも仕事をお金を儲けるだけの仕事としてやっていると時間などがすごく長く感じるのではないかと思う。仕事に没頭できれば追われるような感覚の中で次から次に試行錯誤して前に進めてゆくことができれば、1週間とか2週間でも1年でも経験できないようなことが十分に積むことができるだろうと思うが、私自身普段からいろんな雑用に追われすぎていて深い世界に入れるのは問題のある一瞬一瞬だったりするので、いつか時間ができたときには深いことをしたいなとおもう。

今日は会社の経理的な、年末中に振込などしておかないといけない案件など溜まっていたのが3時間ほどでいろいろと解決できて少し頭のなかにいつまでも記憶しておかないといけない10くらいの確認事項のことを頭から消し去ることができた。行動して実行に移して解決していけると頭の中から消し去ることができるのだけども、いつまでも残して解決しないで頭の中に留めておかないといけないことはやっかいではある。