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リネンや麻を織る日々をつづっています。
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リネン日記
繊維の世界
2022年05月23日
繊維の世界というのは戦後は産業化や工業化がすすめられ大型の設備などが増えたために男社会的なところがあって、女性というのは現場の織り子さんや縫子さん的な存在であったが、それは昭和っぽい話で、平成の時代にはそういう大量生産型のモデルは日本では成り立ちにくくなって、一方で、地域に残っていたようないわば内職的とか手仕事的な生産体系がクローズアップされるようになって、サラリーマンを集めた企業というよりも、趣味の人が集まったようなグループのほうが魅力的な存在感を増してきたように思う。

おっさん連中が集まるとどうしても人に頼んで作って儲け話みたいな泥臭さがあったりすることが多いけども、女性があつまると自分たちで作る手づくり布マスクみたいな世界から始まったりする。女性のほうが料理などもできたりするので器用だったりして、繊維の世界でも草木染なんかは料理をつくるのと似ているところがあったりもする。性別にかかわらず器用さが大事ということなんだけど、自分ができないから他の人に頼んでやってもらおうとする人が多いのだけども、それだとなかなか成り立たないことが多く、自分でやってみてできることを他の人に頼むとかがバランスが取れていてよいのじゃないかと思ったりもする。

ときどき、業界経験の浅い人ほどすごいアイデアがあるみたいに言う人もいたりするけども、それがなぜないのかというとやってる人なら誰でも思いつくけどもやっても成り立たないからとかいうのが一番の理由だったりする。実際に、一つでも作ってみたらその意味も分かるのだけど、一つも自分で作ってみようとしないでものを生み出そうとするから、業界と関わろうとされたりされていたりしても、そのあたりをグルグルしておられたりするとか。

また、アイデア的なことというのはそれが仮にうまく行ったとしても自分が高い値段をつけて売り始めると何分の1の値段で似たような安い物が大量に出回るまでに半年もかからないから、量産を考え真似のできにくいような要素を含んでいないと難しかったりするものである。小さなところが特許がとってあっても大手は無料で使うのが当り前のような話も日本の力関係社会の典型であったりもして、特許すらも小さなところが大きなところに対して主張すれば逆に大手の弁護士に苦しめられるとかそれがアンエシカルな社会の現実なのである。