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リネンや麻を織る日々をつづっています。
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リネン日記
三宅一生氏
2022年08月09日
8月5日に三宅一生氏がなくなられたということ。林与も昔にお取引のあったブランドで、布文化を大事に思ってくださるデザイナーで、日本の布文化を世界に発信しておられた。バブル崩壊後も、他のブランドが勢いが落ちる流れのなかでも日本を代表するブランドとして強く存在をもっておられたのも、日本の布の文化に対する強い使命感を持っておられたからではないだろうか。

林与の生地にしてもパリのコレクションで使っていただいた時には、生地をどれだけ魅せるかというところがポイントだったらしく、縫製の方には申し訳ない話だけども縫製にお金をかけるよりも、生地を使うことにお金を掛けるというようなことを大事にしておられたと聞いている。普通はデザイナーだったら洋服や縫製へのこだわりとかだろうに、布を布のままみせるような、布を羽織っているだけの衣装でもよいというようなコンセプト。布をデザインすることに力を使っておられるブランドの代表格。

プリーツプリーズなどにも林与の生地を使っていただいたのだけども、林与の織物への意気込みに賛同くださって使っていただいた感すらあった。先染織物の場合に色の濃淡などで物性の違いなどが出てきてどう問題を解決するかとか物性的な問題で頭を悩ましながらも取り組ませて頂いていたのを思い出す。アパレル向けの生地を一から作るような先染めの織物工場にとっては仕事らしい仕事だった。

林与も40代前半までくらいのころにそういうのをやらせてもらっておいて人生経験としてすごく有難かったなあと思う良き思い出で感謝の気持ち。ご冥福を心よりお祈り申し上げます。