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リネンや麻を織る日々をつづっています。
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手仕事
2022年10月02日
日本の手仕事というのは、食べていくための仕事というレベルでは、この先日本ではどんどんできなくなっていくと、青土さんとお話していっておられた。分かる気がする、消費者の人たちというのはものづくりというと手仕事みたいな手間暇を思ってくださるけども、日本の繊維業界を取り巻く状況というのはそれほど甘くなく、仕事としてやってるとそれは金儲けのためみたいに思われて、金儲けするなら手間暇省いて上手にしろみたいな誘導も多い。

思うことのひとつに、田舎のおっさんが、「もうけましょう」みたいなのスローガンにしていても、世の中の人というのはドン引きだろう。でも、そういうのが商売の業界では良しとされ、それが仕事というのは金儲けで汚いことみたいなイメージとつながってしまって、地道にやっていることの良さを打ち消してしまうようなところがある。なんとかやっていければよいのであって、そこにも競争があって、辛抱強く地道なことを続けているものが最後はやっぱり本職として強く本物ということになる。楽して金満みたいなのを求める風潮があるけども、地道な仕事がそういう考えに陥るとそこでもう続かなくなるのは、ひと世代前に経験済み。

林与は完全にベクトルが一つの方向に向いているので、商売上手な会社のようになってしまわないほうが特色もあって存在の意味もある。日本の風潮として売ってる人が国産といっても売っている人自体が本当にどこまで国産なのかがしらないという現実が普通だったりして、消費者の方々というのは一番の語りの部分で騙されてしまっていることが多い。日本では30年も8割のアサリが海外産だったというのと似ていて、一般的には繊維業界の国産も似たようなものなのである。

繊維業界の正しい知識からして業者さんにもないのが普通で、それが売り場までいくとすべて国産に化けてしまうことがほとんど、百貨店のイベントでは、ほとんどが国産という表現がされている業者さんがあったけども、仕入れ先が国内業者だからみたいな程度でどの生地が国産でどの生地が国産でないかすら売っている人は分からない状態で、国産をPR。なんかアサリっぽいなあと思えて仕方ないのである。国内で縦横先染めリネンを織れる機屋というのは本当に少ないからこれは事実なのである。