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リネンや麻を織る日々をつづっています。
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リネン日記
決算
2022年11月21日
9月決算なので11月が決算提出の締め切り、アパレル向けがメインだった林与がコロナでアパレル向けをすごく少なく減らしてキッチン系や雑貨系にシフトして仕事は忙しく続いている。たぶん、アパレル系をコロナ前のままに続けていたらお互いに無理な話が増えすぎていただろうと振り返る。旧来型のアパレルというのは昔からのところはバブルのころから右肩下がりを続けているところが多く、旧来モデルから抜け出せないと新たな活路は見いだせないようなことも多く、伝統産業系の流れを組む繊維業界の構造的な問題を抱えがちであったりもする。

繊維産業で難しいのは、昔のほうがいろんなことをできたが今はどんどんと難しくなってきているような流れを背負っているケース。今も普通に新しいものをつくれるような力がないといけないのだけども、働く時間も短くなって仕事量も少なくなって一生働いたとしてもそれどほどの経験は積めないだろうというあたり。一つの企画にしても量産で成り立たせるためにはそれなりにブラッシュアップが必要で、裏では2回3回のタダ働きに近い仕事が必要だったりするのだけども、そういうこともあまり経験がなかったりして普通の仕事として受けて出たところ勝負で終わりというのが、今のありがちな日本のものづくりの限界だろう。

あう産地の縫製業者さんが、最後パッケージまでしてくださっていてみたいな話を聞いて、やっぱり出来る方でできる考え方なんだなあと思う。本業じゃなくても、そういうところまでできたりしてトータルなソリューションが生まれてくる。仕事が上手な方々なのである。林与も時々、商品タグや説明ラベルなど自分でつくったりするけども、そういうのが出来る人って普通の仕事くらいは苦も無くこなせる。商品開発とかしようとするとそういう壁を乗り越えられないといけないのだけども、そういうのの1回の経験を乗り越えられる人と乗り越えられない人との差は大きいなあと思う。

最初の1回の経験をとことんやって乗り越えられる人というのは何をやっても、そこそこまで行けるけども。その1回のチャンスを乗り越えようとしなかったり、最初だからできないのは当たり前では、仕事なのにいつ最初にできるがあるのかというところの話から、できて慣れて何倍も速く綺麗にできるようになってようやく通用するレベルになれるのだけども、素直に説明を聞いてやろうとしてくれると救いがあるけども、経験の長い人でも素直に説明が効けず自分の我流でやろうとして出来ないままだったり下手なままだったりが普通で、慣れている一つの仕事以外は速く正しくできる仕事が少ないというケースが多かったりする。

縦繋ぎでも、チェックポイントをつくれる人と作れない人では、仕事の能力の差としては何倍もことなる。経験者でもチェックポイントを作れる人はほとんどいないのが地場産業の現場。やって失敗してやり直しているのも大変な仕事みたいなことばかり、私が代わりにチェックポイントのしるしを付けて作業を説明とか、それでもその説明も理解ができないとうか考えるのも面倒なのが経験者に多いタイプだったりもする。そういうのが素直を素直に理解して次からは自分がやるのが当り前みたいな強いプロ意識があったりするといろいろと仕事の幅も深さも出てくるのだけども、そこまで行ける人というのは稀なケースで用意してもらって仕事か普通。他の会社で仕事している人たちというのは私が説明すると一回の説明で縦繋ぎのチェックポイントを作ったりできるけど、なかなか織物の現場の経験者はそれができないのが普通だったりする。

織物じゃないけども、今日は会計の先生以外に女性スタッフの方がこられて、まだ慣れておられないのだけども実際の会計のドキュメントづくりを先生に聞きながら前に進めていかれる。話している内容が分かっておられて、林与の会社の中の一つ一つの仕分けも頭の中に入っておられるような女性の方で、2000個以上ある仕分け内容の一つ一つを、アバウトにでも覚えておられるので、この人はできるなあと思った。決算が終わったらどうでもよい1社の一つ一つの仕分け内容を覚えておられるというのがやっぱりすごいし大事だったりして話をしていても助かる。たぶん、短時間に分からないをほおっておくでなく、決算作業に立会するために一つ一つの仕分けを確認されて覚えておられる。繊維の世界でもそうでないといけないのだけどもなかなかそこまで出来る人というのは10人いて2人くらいだろうか。10人が10人、仕事を分かっていながら仕事できていれば、失敗も少なくなるし、失敗したときにもその失敗の意味が分かる。

無理と失敗を少なくするために、作業手順に確認作業を入れたりするのだけども、その確認作業をおろそかにする人は多かったりするし、また、スピードを上げるために今度は速く作業することに集中するということをやったりもする。仕事なんて自分でやってしまえみたいな人のほうが簡単なのだけども、おりこうさんタイプだと人がやってくれるのを期待したりとか、余裕があればどんどんとやれることをやっていくのが仕事で、それは損じゃなく、自分の能力を高める一つの方法。やらないで出し惜しみしていると楽だけどできないタイプに落ち着いていく。