2022年11月22日
前期の帳簿の案件が片付いてほっとして、現場の作業に戻る。企業というのは作業だけでなく、経理や雇用管理などの事務手続き事が多く、これがまた日本の場合には本来は国と個人の間でしないといけないことも企業に国が投げているところがあって大変だったりする。今回も来年10月からのインボイス制度の説明なども会計の先生から聞いたけども、糸を巻いてくれるおじいさんは90歳、そのおじいさんがインボイス番号を取得して消費税を納めるということが可能なのかという問題がある。多くの個人の内職レベルの方々が、今までは年間の売上規模が小さく免税業者だったのだけど、これからは消費税の計算をして納付する作業が増えてくる。消費税の納付額の計算が、内職の仕事と同じ以上に理解は難しいだろう。普通の現場のおっちゃんおばちゃんでは多分難しいだろう話で、収入も少ない内職の方々がそれ以上の能力を求められる。
おじいさんも昔は人を雇ってやっておられたのでできないことはないだろうけども、今は先染めの仕事も減ってやってもらう仕事量も減ってしまっているので、そのために複雑な手続きを行ってもらえるのかというあたり。インボイス制度は免税業者に消費税を支払わせるための精度のような感じなのだけども、登録や申請の手続きを行うこと自体が仕事の作業以上に消費税の構造を理解していないとできなかったりと、消費税を課税しながら免税状態になっている業者さんにとっては対応できるかどうかというのは微妙なところだろう。たとえば税務署以外の公務員の人でも理解が難しいことを独立して業をしている人というのは自分でやれるようでないと、現場の作業だけでは業として続けていくことは難しい問題がある。分かりやすければ良いのだけども、消費税は預かり方式だったりしてそれが消費税を複雑にする。おじいさんの場合にも電気代とかには消費税が掛かっているからその消費税分はすでに納めたことになるから、そういう数百円円のものも処理していかないとならず、事務処理の手間は大きいだろう。
免税業者制度はつづくようなので、消費税を取らないようにしてもらって、その分値下げで、1割の消費税はこちらでまとめて納めるみたいなこともロジックからすると妥当な話だそうだけども、そういうのは納税時じゃなくて、仕事の前に先に話を付けておかないと駄目というような国の考え方らしく、国自体がもうちょっとしっかりとした正しいことの説明をできないと、無理やり消費税を導入した経緯などもあって免税業者をつくったり、あずかり制度方式にしたりと、消費税の考え方が複雑になってしまっている。そういうのをつくってしまって複雑になって、あとでルールを変更するみたいのが一番あかんのや。
正しいことのルールがころころ変わるだけで、実は公務員の人でも自分の専門分野でなければほとんどの人が分かっていなかったりする。企業を経営しているといろんな専門的なことを公務員の人以上に広く理解していないと経営が出来なかったりする。企業経営というのはそういう意味でも大変な部分があったりする。現場の仕事以上に、経理や労務管理、正しく処理していかないといけないことが多すぎて。また、自分の会社の締め日などのルールでいければよいのだけども、相手の会社の締め日のルールなどいろいろと相手の会社に合わせないといけないことも多かったりで、本当ならその都度請求できるのが一番良いのだろうと思う。
それをたどっていくと、繊維業界の悪習である手形制度や歩引き制度など、問屋が問屋として機能がしなくなっていても歩引きとかいってくる方もおられて、もう昔の問屋業界の人は今の時代では商売も難しくなっておられるのを感じたりもしたこともある。手形などもなるべく使わないように切り替えていかないとそういう事務処理だけでも時間も労力も使ってしまう要因になる。信用できる相手とだけ多少の支払いの機関の調整はいれながら現金決済で商売をするというのが理想的な形で、古い繊維業界もその形に落ち着いて来たとは思う。
仕事している外の人と話しても、経営全般の知識に関して広く離せる人というのは経営者で同じような経営の苦労を抱えられているところは多い。サラリーマンは楽だというのは自分の税務申告も会社がやってくれるし、自分の与えられた仕事だけであとは仕事のことは考えなくてよいような形になっているから。それだと仕事全体の理解が難しかったりとか外との関係が難しかったりするのだけども、全体の複雑なことを理解できる人でないとなかなか経営や経営判断は難しいだろうなあと思う。