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リネンや麻を織る日々をつづっています。
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リネン日記
起業的行動
2023年01月06日
仕事していて大事なのは起業的な行動みたいなもので、ものづくりのアイデアとかビジネスプランだけではなく、それを実際にものをつくって売ってみるというのをどうやって毎回毎回形にしてゆくのかということ。織物の仕事というのは毎回毎回がそういう具体的な作業ばかりで、現実的な仕事の繰り返し、織物の仕事に関して言えるのは、地道な仕事なので誰にでもチャンスはあるけども正しく作業が出来ないとやらないほうがましだということ。これも起業的な行動が成り立つのか成り立たないのかというのと似ているなあと思う。

仕事というのはうまく行かないことのほうが多いのかもしれないし、とりあえずそのうまく行かないことに関しては宿題的に将来解決するというような形に保留をしておいて、現実的な出来る仕事をこなして成り立たせてゆかないといけない部分があって、そういうのが現実的な仕事に見える人でないと地道な作業というのは難しかったりもして、ものごとがみえていないとそういう現実的な仕事を単純な作業のようにとらえてしまって、そういう単純な作業をやっても仕事のレベルまでいかないとかもありがち。

織物じゃなくても仕事を現実的にこなされている方というのは、最初の日から織物の作業も坦々と仕事をこなせたりするものでまさにプロだなあと思えたりもする。そういう人だと余力も生まれて、考えておられることなども現実の作業とどう兼ね合うのかなどが理解できるので企画も現実的に進みやすい。どうかんがえても難しいような話で持ち込んで来られる方が多かったりもして、そういうのは現実がみえていない企画で、アイデアがあれば周りがそれを実現してくれるみたいな感覚で自分が食べていくみたいな商売感覚の人というのは、いろんなところをうろうろとされてて形になりにくいことが多かったりするように思う。

繊維の仕事なんて、極論からすれば、ないと困るような話でもなく、自分が成り立たせようとして成り立たせないとそれは仕事としての最初の時点からしても難しかったりするあたり。百貨店でイージーオーダーの元気な会社さんがあるけども、その会社のシャツの縫製の職人は、イージーオーダーで受けて裁断されたシャツを1日に8枚くらい縫い上げるという。それだから食べていけるのであって、そういう人なら他の仕事をしても通用するタイプの人たちだろうなあと思う。超えた世界がないと通用しないのが今の繊維業界で、超えたような現実の世界をどれだけ持てるかというあたりが大事なんだろうなあと思う。

現実問題として日本では普通の麻生地をつくるのももう難しくなってきてしまっているという実情があったりして、つくれたとしても難しいのだが、つくるのすらも難しいという問題があったりもする。日本の繊維世界がどんどんと小さくなっていくのも、どんどんと仕事をこなすこと自体が難しくなってるような現実があるだろうと感じる。コロナで繊維業界をとりまく概況は、コロナの前の何倍も厳しい状況でそういうのがみえていないところから始まると理想論というだけに終わってしまう。現実的な仕事を受け止める割り切りみたいのがあってやってると仕事の意味なども見えてきて新たな方向性もみえてきたりもするのだろうとは思う。