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リネンや麻を織る日々をつづっています。
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リネン日記
暖かく
2023年01月16日
今日は、穏やかで温かい感じの1日。スマホでは愛荘町は12度くらいと出ている。動いて作業していても寒さもほとんど感じない。雪が降りそうにもないので、もしかすると、今年は今までの人生の中で滋賀県のこの地域では一番雪の少なかった年になるのではないだろうか。

ネット販売に使っているパソコンがまだキーボードが直っていないので、別のパソコンを使用しているけども、メールソフトなどがこのパソコンにはないので、確認などが不便で、キーボードだけの交換を行おうと考えてはいたのだけども、キーボードだけの交換が難しいかもしれず、今回4年ぶりくらいに新しいパソコンの環境に移り変わるような形にしないといけないのかもしれない状況。

今日、リネンの40番手の密度の高めの生地を織っていて、横糸のキャッチミスでよく止まるので、レピアが糸を取るタイミングを早くして、レピアヘッドのオーバーホールみたいなことをやってみたら多少は改善されたのだけども、この織物は普通といえば普通に近いレピアの織物なので、調子よく織れてくれないと困る織物。私が2年前に織っていた時には調子よく織れていた記憶があって、そのあと別の人が織ってくれた時にはすごく苦戦をしていたので、横糸のテンションとかいろんなのももう一度調整をし直した。

ほかに、キッチンクロスの織機の調整、リネン100番手の横にシルクを織っているのの続き、ヘンプの案件など宿題みたいなことがたくさんありすぎて、どの織機もやらないといけないことはわかっているのだけども、調整などが必要なことが多くなってきて、それをやっていると1台、1台しか相手にできず、ものごとがなかなか進みにくい。ほかにもリネンデニムの糸は割れたのだけども整経の案件などもやらないとならなかったり、在庫確認のしないといけない生地の件があったりと、ほかの人には頼めないような件ばかりになってしまって。

織物は織るだけでなく織れるようにするところまでがなかなか大変な仕事で、織るという作業は一番簡単といえば簡単な作業。織るにしても織機を織れるように調整できる人が織ってくれていると楽なのだけども、なかなかそこまでたどり着ける人というのはいないもので、今のように難度の高い織物になってくると、職人さんレベルでも綺麗に織ることが難しい問題が多くなりすぎて。

昭和のころのものづくりでもそうだったのだけども、綿の世界でのものづくりを麻に適用しようとするとどうしても難度が高くなるのだけども、そういうのを毎回毎回乗り越えていれば、今も昔の職人さんが活躍できるのだろうけども、毎回乗り越えられないで投げ出されるとどうしても私しか織るところまで持っていけない織物とか、私しか織れない織物とかがどんどんと増えてきてしまって、そういうのはよくない状況。

現場にいる人が一番簡単な仕事しかできなくなってしまうと、なかなか食べていくのも難しい話で、そういうのは昔からの織物の現場での課題。織物の現場というのはどうしても高齢の経験者ばかりになってしまうと慣れでの作業レベルに止まってしまって、慣れていない作業などはできないわからないとなってしまって、新しい織物をつくることが難しい。

たとえばスマホまでいかなくても、タグガンというホッチキスに似たようなものにしても、子供でも使えるような簡単なものなのだけども、経験者にはそれに対してのつかった経験がないと難しかったりもして、本当にそういうのはできることができないみたいな話につながる。人生経験の長いものほど新しい経験が苦手みたいな繊維業界や田舎社会にはよくありがちなことではあるのだけども、できなくてもやろうとする気持ちがないと仕事をやってもらうことすらも難しい問題であったりして、織物がどうこうとかじゃなく、素直に新しいことでもやってみることが大事で、プライドが勝ってしまう年配の人とかはややこしいのが、日本の昔からの経験者であふれてしまっている繊維業界にありがちな問題の一つではあろう。