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リネンや麻を織る日々をつづっています。
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リネン日記
デザイナー志望
2023年02月24日
林与の仕事ってテキスタイルを作る仕事で、テキスタイルデザイナー向きなのかと思えるけども、実際には有名ブランドのデザイナーの方とお会いできるチャンスも多いし、デザイナーの方にとってはテキスタイルというのはデザイナーがデザインにこだわりたいアイテムだったりするんで、回りくどいかもしれないけども、ブランドのデザイナーがお客様であるデザインの仕事だったりもする。

それって、すごいことなんだけどもと私は思える。でも、その分、実力が必要で、デザイナーの方の話を理解して求められるものをつくれるような力が必要。デザインという要素だけでなく、素材の物性などにも精通していないといけないので、経験がすごく大事。麻織物の分野は特に、物性がカプリシャスなので、使える布をつくれるためには、デザイナーが求める色柄や風合いというだけでなく、物性の問題までも解決するような能力が必要で、麻関係で、そのあたりの話が出来る人って、日本で数人くらいしかいないのではないかと思う。

就職希望の人たちがデザイナーを目指していたりして、覚悟さえあれば、案外デザイナーの力が発揮できる仕事だったりもする。なぜなら、仕事の相手がデザイナーさんたちだから、多くのブランドのデザイナーさんと会話するとか、提案力さえあればテキスタイルデザインだけでなく、そのテキスタイルをつかってどのようなアイテムが出来るのかなども有名ブランドのデザイナーさん相手に提案出来たりする。

そういうのをチャンスととらえるかどうかなのだと思うけど。いろんなデザイナーさんと出会え、力さえあれば対等に話ができるような、すごい可能性があったりするのだけど、若い人でそういうのやってみないかなあと思う。また、織物会社もそういうチャンス多いけど、縫製会社も同じようにそういうチャンスがたくさんあるから、アパレル企業だけでなく、縫製会社に勤めて、多くのデザイナーさんと仕事の話ができるというのは、アパレル企業の中のひとつの仕事を担当する以上に、レベルの高い仕事なんじゃないだろうかと思うが・・・。

ブランドの方も、話し相手としては仕事に覚悟を決めているような人と話をしたい傾向があるとは思う。楽して稼ぎたいみたいな人と仕事を一緒にしたくはないだろうし、時間から時間で働いているサラリーマンタイプの人とも重要な話はしたくないだろう。仕事で大きな仕事をしたければ、そういうところから抜け出さないといけないんじゃないかと、思えたりする。週40時間普通に働いたところで、ブランドのデザイナーさんと話できるような知識も身につかないし経験も積むことは難しいだろうと思う。知識や経験よりも、実際に形にできる力や問題解決能力があるかどうか、が大事なあたりなんだろうと思える。

デザイナーさんたちにしても、例えば、専門の職人タイプの人と話すると、意味が理解してもらえなかったり、また、出来ない、分からない、ばっかりだろうと思う。既存の技術要素を新しい案件に応用する時には、いろいろな問題が生じてくるのだけども、そういうのを理解できる力がないとならないのだが、分業制でありがちな繊維の製造の現場では、縦割りの壁というのはなかなか超えにくい壁だったりするものであるが、大きなことをしようとするときにはそういう壁を普通に超えて問題解決してゆけないと難しい。一つのものごとを成し遂げるために自分を捨てられるかみたいなあたり、あるのかもしれないなあとは思う。