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リネンや麻を織る日々をつづっています。
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仕事
2024年04月23日
仕事の力というのは人生観やそれまでの経験そのもので、会社の中で働いてもらって教えたからと言ってできる人とできない人の差みたいのは埋まらないことが多い。できる人というのは最初からとことんやろうとするけども、できない人というのはとことんまでやろうとしていない。余裕があるというか目の前の作業をすることじゃなくて、そこまでできないわみたいな別のことを大事にしている感じが漂う。

作業をしてもらったからといって正しくできても上手にできてもそれでトントンというのが仕事のプロの世界なのに、やればできることをもったいぶっていては、仕事というのは本当に難しい気がする。やっても難しいことをやろうとするくらいでないと、仕事で食べていくのは難しいが、一つ一つの作業はコツの積み重ねみたいな部分があって、大事なのは作業することじゃなくて、作業の結果、みんなが仕事として成り立つことだと思う。仕事は好き嫌いじゃなくてみんなが嫌がる作業ほど意味のある作業だったりする。

先代が言っていたことの一つに最後に残れば大丈夫みたいな感覚があったけども、先代自体が時代が替わるとまったく残ることも難しく通用もしなくなってしまった。良い時代の感覚は、人間関係があれば食べてゆけるような感覚で、目の前の仕事にありがたさすらもなくなり、きびしい時代には生き残れない。

上下関係とか意味すらもなく、どこまで自分が答えを出すためにやれるかが大事で、他の人をいちびって仕事みたいなのが一番すきじゃない。昔ながらの繊維業界にはありがちで、ホワイトな繊維業界にもありがちな体質そのもの、国連レベルの驕りがちな地道な人たちを見下したSDGsにもありがちな体質そのもの。本当に覚悟決めてやっている人たちを支えないなら意味すらもない。

林与が地道な方たちを評価するのはそのあたりで、別に無名でも本気の方というのは、すごいものを作っておられ、北海道の亜麻音工房の小野田さんは、日本で世界一くらいな凄いリネンの世界をおひとりで実践されていたりする。お会いしたときに、すごく静かな方で、でも林与が小野田さんが織られた布をみせていただいたときに、林与が小野田さんがやってられるすべてのことが理解ができた。これってすごく大変でしょっていうと、大変なんですとニッコリされていた。作業的に、大変なことを乗り越えておられるだけでなく、織られた布がまさにありえないほどの別格でゴールドでまさに亜麻色でしなやかで美しすぎた。ありえないほどの最高の日本産のリネンを自分が働くことで、フラックスから育てられて、手紡ぎで、手織りで作られていて、そういうのは規模は小さくても、世界的にもまれだと思う。