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リネンや麻を織る日々をつづっています。
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リネン日記
外の世界を知る必要
2025年01月09日
田舎にいると外の世界との接点があったとしても特定の人だけでしかなく、やはり不特定多数の人と出会うことも大事で、実際の仕事の中身などは自分自身での情報発信ということが非常に大事だなあと思う。今は工場見学なども行っていないし、展示会なども出ることも少なくなったけども、いろんな方と出会うことで、繊維全般に関しての知識も高まるし、それがあって世間話というのではなく、技術的な話など本当に疑問に思っていたことなどを麻業界とは誓う方から他の繊維について教えてもらうのが役立つことも多い。

そして、自分自身もたとえばプリントをやったり、自分で生地染をしてみたりとか、それの自分の経験も応用して、本職の方に染めてもらうとかすると、本職の方がやるありがたさみたいなものも分かるし、本職の方の説明を聞いても自分の経験と川根合わせることができる。自分で布を縫ったりすることもあるので、ミシンとかに関しても扱えることがものづくりには役立って、なんでも一番器用にできるみたいなのを無理でも目指そうととことんやってみるのは良いことで、最初から自分には無理と諦めるよりも。やるだけやってみて諦めるほうが良いだろう。

一つのものを作るときの試作などでも、自分で縫ってみて強度などを試すことも可能だし、よりよいイメージのものに作り上げることも可能だし、量産する時のたたき台を自分自身が、それなりに形にまでできるというのはすごく良いことで、どうやれば無理そうに思えることでも可能になるかとかも考えることができる。

いろいろと広い分野の知識というのは問題解決にも役立つことが多くて、何か商品の企画をしようとするときに、本当にいろんな角度から商品というものを想定しておかないと、一つの弱点みたいなところが、商品そのものを駄目にしてしまうことがよくありがちなこと。ブランドとかを立ち上げたい人にもいうのが、アイデアだけあっても、つくったら怖いことになるから、自分自身で試作までする力があって試して大丈夫なら、企画一つもなんとか成り立つかもしれない。それでも知識もなくものをつくると大きな問題につながることは多いから、布というのは後から解決するというのは本当に難しいことで、それなりに問題点も理解しながら、触って観た感じだけが良い悪いの話じゃないという大事な部分。慎重にやってても見落としがあるかもしれないのに、簡単に思って大丈夫だとやってしまうと大きな問題につながる。

あるアイテムを企画された会社も、生地自体は問題がなかったのだけども他の生地と合わせて使ったりすることで大きな問題になってしまわれて、それぞれの素材の問題点などもよく知っていないと、後から解決しようとしても大きな問題になりすぎる。新しい所品を気軽に企画みたいなのは、問題を拾いやすく、新しい素材を求めるばかりの業社さんも織られたりするけども、一つ一つの素材を製品に仕上げるときに見えてくる問題が当たり前にあったりする。

麻で怖いのはもっと薄く柔らかくとかで、縫い目滑脱とかスリップの問題といわれるもの、収縮率の問題。堅牢度の問題にしても濃色を本当に濃色にすればするほど問題は大きくなる。林与の場合、濃色は濃色にしていることも多く、林与の麻生地が他の会社の麻生地よりもぼやっとしていない、スカッとしていると言われるのもその辺り。微妙なことだけど、そういうのが野暮さにつながってしまうので、安全を求めれば、本当の濃色は避けたほうが良かったりする。タオルカラーとか言われるものがあって、淡い黄色やブルーやピンク、若い系の感じの色だとそういう問題は起こりにくい。色の濃淡の差によって、糸の収縮率の差が生まれ、バブリングする減少なども最近はよく見受けられる。

麻のチェック柄らしい先染めがだんだんと難しくなってしまってきているのもその辺りの問題もあるし、怖いのは織っているときにシャトル織機とかだと、色によってすでに、幅が狭くなったり広くなったりするから。幅がせまく織れたり広く織れたりしててしまう。生地企画というのはたとえば、インチ縦横何本と決めても、それ通りに居りあがるかというと、経糸のテンションが強ければ引っ張れて織れるので、幅が狭く織れ、横糸密度は高く織れる、経糸のテンションが低ければ横糸密度は同じギアでも低く織れる。

普通現場の織っている人がこういうことを考えることは少なくて、織れるか織れないかだけだけども、問題が糸にあったりすることもあって、特に支給の糸の時には、別の対策を講じるということも難しく、苦労することが多い。支給の糸というのは織れればよいけども、色によって糊付けなども差が出て来て濃色は糸も弱いし織れないことが多かったりする。織機の綜絖に糸を通そうとすると隣の糸がぽろぽろときれるとか手で触るだけで伸度がなく切れてしまうケースも多い。