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リネンや麻を織る日々をつづっています。
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リネン日記
損得考えていては続かない話
2025年01月20日
物事を続けていくためには損得を考えていては続かないし、思い入れがないと特別なものなんて生まれてこないどころか、やれば問題ばかりでやったことを後悔するだけだろう。アイデアだけで皮算用して誰かがスポンサーをしてくれるような感覚で、生地を作る話を持ち掛けられることも多かったり、特別な布を欲しいと言われながら、いつでもどれだけでも欲しいだけ手に入る値段も手ごろな布はありませんかみたいな話とか。

そういう布なら普通に大手のネットショップの量産タイプの普通の生地が適しているというアドバイスをさせていただくしかなく、一般の方でもそういう無茶のことは言わないのに、プロでやってられる方がそういう感覚というのも、他の手ごろな生地を扱ってられる業者さんをご紹介するのも業者さんに迷惑が掛かりそう。

大手の生地商社がやりがちな話に、作らせて買い取らないという汚い手口で、機屋を困らせるのは分かっていて、何百万も困らせてお願いだから買ってくれというのが当たり前みたいな感覚とか、繊維の大手にしてもヤバいところはたくさんあって、それだから儲かるだけのことで、利益の元手はお金は全部機屋のお金だったりする。何百億もやっている大手繊維問屋はそんな感じだったりのところもあって、利益があがる話。

買わないと言ったら困るだろうと思っているから、買わないなら自分で売りますからいいですね、と確認して、林与が林与の生地として自分で販売した。そしたら1年とかあとに生地を出荷してくださいといってくるので、もうないですよという話。なんで売ったんですかと、ちゃんと確認もしましたよね。ほんと、そういう汚いことを大手の繊維問屋さんがやっちゃってるのが普通のことで、その生地は日本のこだわりを世界に謳うブランドさんが発注したもので、まあ、ブランドさんもブランドさんで、機屋が幸せになるだろうと思っておられるのだろうけども被害が広がってるだけのこと。

笑える話が、その後も、その大手繊維問屋の部長がブースに新しい担当と来られて、こういう話をして、御社とは仕事はしないと決めていますと伝えるが、部長が今度は絶対にそういうことはしないからと300mの仕事を受けて、また、作っても今度も一切出荷させない話で、日本の繊維業界の大手生地問屋で日本の繊維業界の大手にはあるんだなあと。3年ほど経って、こういう話を新しい部長に話すると、自分が解決すると言われ解決はされたが、日本の繊維業界の大手生地商社がそのようなやばすぎる状態で、利益を上げてるだけのこと、まだそういう人たちが日本のこだわりのブランドさんとやってるから、こういう話は似たように他の大手の繊維商社で聞くこともある。

今後一切、御社とは商売はしないとその部長にも伝え、その100万分の生地も、一部は自分で販売して半分くらいだったかは、引き取ってもらってだが、日本の繊維業界の闇というんはホワイトにみえる大手繊維商社の当たり前の業務スタイルだったりして、ほんと元気に生地の展示会に出ておられる大手商社の中にもブラックな側面もある。そんなことやってたら金儲かるの当たり前。日本のこだわりのブランドもそいういうえげつない商社がないとお金が回らないという現実があるとは思うが、そういうのは覚悟もないものづくり。

他の大手の商社とも商談もして、2週間で展示会があるというので、プリント工場さんにも事情を話して全面協力してもらって、それで生地も作って報告すると若いデザイナーがセールスが売る自信がないっていってますとか、大手の商社で若いデザイナーさんだったから、仕方ないのかな、50万分くらいの支出で、50mのサンプル生地が2つ残る。大手生地商社だとその程度の駄目さが普通にあったりする。生地は林与が販売することにしたが、ほんと商社の生地を製品を販売したりする能力というのは、無理して値段を下げる協力してもブランドさんにも販売能力がないとまったく無理。ほんと協力してくださったプリント工場にも加工工場さんにも400メートル程度の量産の量産の想定で続いてキャパも明けてもらっているのに流れて迷惑をかけるだけの話になり、経験の浅い若いデザイナーさんだとそういうのも商社の部長も立ち会いながら普通にありだから怖い。損得も考えずにお金が回ればよいと思って、
若いデザイナーさんを助けようと思っても結局、50mづつのサンプル生地を抱えてしまって自分で販売して見本コストなども含めて解決する話。生地だと簡単に1m30ドルで海外で売れた。それでも費用的にも持ち出しで、働いた分なんてどころか解決することまで、普通の機屋さんだったら地獄だろうと思うけども、生地を売るということはそれほど難しいことでもなかったりするのが普通は見かけないような特別な布や商品。

繊維関係の人たちというのは布に対しての思い入れが強いので、自分用のお土産用などに買おうとしてくださる方というのは多いから、商品までにすると、生地として売るのは難しくても、商品として見せると買いたいと思ってくださる方は多い。生地展なのでアパレル展とか雑貨展じゃないので、邪道だけでも、布を商品にまでして良い感じに見せるというのは、それなりの試行錯誤も必要で、日本の繊維業界でもそういう環境がなかなか難しく、社内でそういうのは自分で簡単に試行錯誤してできたほうが良いと思う。繊維業界にいても自分でそういうことをする人がどのくらいいるのかというと普通に時間から時間はたらいてサラリーマンで終わるケースがほとんどで、週末に自分でそういうのをやる人というのは珍しい。そういうのを自分でやるのが当り前くらいでないとモノづくりに対するプライドもわかないだろうし業界の話にもついてゆけないだろうと思う。普通の作業が当たり前にできるという力は大事で、そこをおろそかに企画してもそれを売れる形に誰がするのかという問題が残る。その部分が日本では試作の時点からして業者さんでは難しかったりもして、業者さんで無理な時には自分で解決方法をみつける必要があったりする。

また、基本をやっぱり守っていないものというのは、販売すると問題だらけで、たとえば、布を切っただけの、きりっぱの縫製してないハンカチとか。いくら簡単に作れても、そういうものは販売しないほうが良い。あと、生地だけ買ったら製品には自分でするから生地で売ってと言われるケースも、製品までするのにそれなりに試行錯誤も必要で問題が起こるか起こらないかも、やり方によっては一つ間違えば全没な話になる。だから、生地は生地として販売したときには、製品にするサポートはしないほうが良いことが多い。当たり前に、製品にするまでに問題がいっぱいおこるし、その方が経験あって作れる方なら自分の仕事として解決をしてゆくべきだろうと思う。

ぱくり業者的な人だと、いい感じの商品をみるとその生地をどこで手に入れたとかどこの業者に頼んだとか平気できいて自分が似たようなものをつくって販売したいと思ったりで、そういうのは販売している方に失礼ながらも学生気分の方だとそういうの一生懸命に聞こうとされるが、学生だから許されることでも、社会人になって仕事としてモノづくりしているものがそれを聞いて同じようなものを作って売ろうとするとかは、どうしようもないほどの駄目な話、そういう人ほど、問題が起こると聞いた人や助けてくれた方に責任を押し付けたり、業者さんに無理難題や補償問題まで当たり前に考えていたりするから、ぱくってお金を儲けたいだけのような方が関わってクリエイター気取りだと関係する業者さんまで困る話になる。たとえば、ケアラベルなども自分が商品を企画するなら洗いテストなども自分自身でやってみてどの洗い方なら大丈夫なのか考えないと、生地のケアとは、製品となるとまた別の話になる。

林与自身も生地を生地として販売する時には、何に使ってよいのか分からない人には売らないようにしていて、ガーゼストールの生地で洋服をつくりたいと言われる方が、今まで100人以上はおられたけども、それを聞いて、スリップするし、縫い目滑脱が起るからアパレル向けには不向きですということは、あとの問題を考えて話すが、本来ならものづくりする人なら、一度くらいは失敗もしてみて、当たり前にそういうことを理解していないと、でもそういう経験を積むこともなく、今はものづくりの企画の方も多かったりする。1回でつくって完璧なんて無理という当たり前の感覚ももたずに、人から聞いてばかりで誰かに頼れば、それで売れるものが出来上がるということはまずないし、どっかで大きな問題に引っかかるモノづくりにつながる。試行錯誤とテストというのはすごく大事なのだけども、そういうのを行う環境が日本にはなくなりつつあって、海外の安くつくれる企画だと10回に1回くらい駄目でも捨てれば終わりですむけれど。それでどれほどの業者さんが大きな失敗を経験しておられることかというのもよく聞く話。日本でも麻に関しての染などに関しては問題も多いので、その辺りを理解しているお客さんでないと、それなりに堅牢に染めてくださる業者に頼んでいたりするけども無理ということもあるので、色の濃さを求める時には、そのあたり堅牢度に対する知識も業者さんとしては理解いただきたい。染めるのはどこでも染められますからみたいな業者さんもおられるけども、色落ちなどを気にしなければどこでも染められるけども、百貨店に置いたり、高級ブランド向けに商品展開するなら、そういう言葉は出てこないはずで、作品的なものづくりだと色落ちしてもしかたないという話にはなる。また、草木染なども本当の草木染ならば、耐光堅牢度というのどうしても悪い。麻の生成りの生地も対光堅牢度は悪く、色抜けみたいなことが起るので、草木染のものに憧れて実際に問題の意味が分かっておられないと、百貨店に畳んで置くとか、窓際の明るいところにディスプレイすると一部の色が抜ける現象が当たり前に起こる。色抜けではなく位相するという現象らしく、色素自体は残っていても色素自体の相が自然の色に近づいてゆくということらしい。昔の草木染というのは、染めては干して、染めては干して、で堅牢度を上げたといわれていて、今、そういう工程というのは、何十年も使う文化財級の物を染めるときなどくらいしかやってはいないだろう。水洗いにも弱いのも特徴で、水で洗うという行為自体が晒すということにつながるので、色落ちにつながる。藍染は洗った後に空気に触れて色が濃くなるからまだましだが、水に長くつけすぎると藍染のものというのは色が抜けやすい。染め直しするとかも想定して製品を作ることも一つの方法で、お金を払えば染め直ししてくれるような業者さんで染めるとかが一つの方法だろう。もちろん違う濃度にあがって来るのが普通で、染めたのと同じような手法で染め直しすると濃くなるんじゃないだろうかと思う。