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リネンや麻を織る日々をつづっています。
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リネン日記
ふつうの規格
2025年04月10日
林与の普通の織物規格というのは、定番のソフト仕上げの程度の縦横密度。このくらいの織物だと一番番手に合った織物で、打ち込みも無理がなく織るのにあまり支障がない。このくらいの織物規格で色柄を組んでチェック柄を作るとかが繊細なアパレル向けなどには適している。横の打ち込みを若干上げて厚めに織ってカジュアル向けにすこし肉厚におるくらいがいい感じ。

今、早いよで織って織るものは、特殊なタイプで、より高密度のカジュアル化の流れがアパレル業界でも進行しているとは感じる。同じく高密度物はテーブルクロスなどの雑貨系にも使いやすい。規格上は、打ち込みというのは数字の上では何本でも上げることはできるが、実際に密度を上げ過ぎると織前がどんどんと後ろに下がって行って最後しんどくなって織れなくなる。

逆に薄いものではリネン100番手なども非常に繊細な織物だけどもシャトルで織ったりしているが、シャトルなどを1回挟むだけで何十本からときには何百本も切れてしまうことがある。そうなると、復旧作業が始まるのだけども、たんたんとそれを乗り越えられるかがすごく大事。シャトルを挟んだことで織機のコンディションが崩れると、そのあとも運転に入れるとまた挟んで何十本も切れたいするから、織手の器用さが本当に大事。林与ではリネン150番手まで織ったりしているけども、そういう糸は少し昔に手に入れてある糸で、今手に入れる糸では100番手でもかなり織るのが難しくなってきている。

細番手の糸を高密度に織るのは糸が切れやすいために非常に難しく、普通のかせ糊付けでは糊はつけられても、かせからチーズアップが非常に難しく、会社の中で少しづつチーズアップする作業をやったりするケースが多い。糊付けの加減で織物がまったく織れないということも多いので、織物というのは本当にリスクが高くなっていて、予定の何倍も時間が掛かってしまうことも多い。

無理と無理させた織物を織るというのは、自分で織るのを難しくしていることになるので、仕方ないことなのだけども、やはり一見したときに普通の織物じゃない風に見えるとそういうのに良さを感じてもらえることも多く、林与自身も、無理して織る織物というのは綺麗に織れた時には織り甲斐を感じる。リネンデニムなどもその一つ。無理して織っている織物が多くなってしまっていると生産がどうしても遅れ気味になるので、お客様にもご迷惑をおかけすることが多い。

今の主流というのは、後染めの企画が多いと思うが、林与では後染めのものはあまり作っていない、先染め織物が主流で、縦糸横糸黒の先染め織物と、後染め黒の織物とでは、微妙な違いだが、後染めの黒のほうがマットな黒に見えるだろうと思う。