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リネンや麻を織る日々をつづっています。
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リネン日記
シャトル織機
2010年11月30日
先日、繊維ニュースという新聞に岡山のタケヤリさんが載っていました。1年前のジャパンクリエーションの時には、タケヤリさんの方が、私がブースに不在の時にお越しくださりお名刺を残してくださったのですが、そのときはリネンの超細番手のストールを織っているところの動画をご覧になられ関心くださったようです。お話したかったですね。

リネンの超細番手のストールを織るときには、シャトル織機でどこまでゆっくり織るかみたいな世界に挑戦している感じです。あんまり遅いと、シャトルのステッキを叩く力が生まれないので、シャトルの動きが遅くなり、反対側にシャトルが到達する前に糸に挟まれてしまうのです。ストールのようなものなら織機の中央で織物を織るので、シャトルが飛び出すことがあります。

シャトルというのは早く動いているときに飛び出したりすると本当に危険です。巨大な弾のようなイメージです。リネンの高密度のものを織るときにも糸切れが起こるとシャトルは飛び出しやすく、レピア織機に慣れてしまわれた方は怖くてシャトルに戻ることができないと思います。

シャトルというのは織機に挟まれたりすると壊れてしまうのです。また、シャトルチェンジするヒガエの織機というのは希少ではあるのも、シャトル織機の動きにシャトルボックスの上下運動が加わると何倍もシャトルを挟みやすくなり、シャトルが壊れるだけでなく、筬やシャトル織機が壊れてしまうこともあります。

特に、一番上のシャトルから一番下のシャトルに移る時などは見ていても危ないです。織っているときにも心配しながら見ていますがうまく動くもので感心します。シャトル織機には、シャトルを挟んだときに筬が逃げるような仕組みや、テンプルバーにも弾力を持たせて、シャトルが壊れないように随所に工夫があります。

手織りではないので、織機自身が万が一のときに壊れてしまわないような機構までも必要としているので、織機というのがさらに複雑になるだけでなく、その調整というのがさらに複雑になっているのです。力織機を使える職人さんというのは希少だとは思いますが、今の量産の時代に、そういう方の技術というものが評価されることは少ないのです。