for English speakers: Welcome to HayashiyoWelcome to Hayashiyo
リネンや麻を織る日々をつづっています。
ホームリネン日記ループ
リネン日記
ループ
2011年01月03日
昨日からお正月明けに向けての段取りの開始です。今、ある指定を受けて織っているリネン糸が硬くて、織物にループができる問題を克服するのに手間取っています。レピア織機なのですが、糸がらせん状に出るほど糸が撚りを受け付けず硬いのです。

小さなループのほとんどは毛羽焼きをすれば焼けてしまうので一般的に問題はないのですが、織り上げた状態で完璧でないのが好きではなく、徹底的に織機を調整しなおしました。無駄も多くなるのですが、捨て耳を長く長くして捨て耳の絡みソウコウがしっかりと糸をホールドするようにしてみたり、絡みソウコウを交換したり、フィーラーと呼ばれる糸を給糸する装置を使ってみたり、糸道油を付けてみたり、テンサーを交換してみたり、開口のタイミングを調整したり、ピックのタイミングを変えてみたりと、この糸の特性に合わせるために機械を調整するのです。

硬い糸というのは縦糸には向くのですが、横糸には向かないのです。横糸というのは、通常柔らかい糊のついていない無加工の糸を使用いたします。弾力があって、縦糸の上下に応じて織り込まれやすいのです。縦糸と横糸が異なるという話をするとびっくりされる方が多いですが、麻の場合で、縦糸と横糸が同じなのは40番手くらいまでの太い番手の織物の時だけで、60番手くらいを超えてきますと糊をつけたり、水溶性ビニロンを巻いたりして織るケースが増えてきます。

この糸も糊はついていないのですが、紡績の時に硬く作りすぎているような感じがいたします。あと、つなぎ目というのが手でくちゅくちゅっとしたような感じを糊で固めたようで、糸が汚くみえるので綺麗にしようと糸を直していくと2本に離れてしまうのです。紡績工場の特性だとは思いますが、リネンの品質というのは同じリネン100%といえども紡績工場によってさまざまです。