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リネンや麻を織る日々をつづっています。
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リネン日記
リネンテスター
2011年02月04日
リネンテスターという言葉をご存知ですか? リネンをテストする機械があるのかと思われるかもしれませんが、生地を見るための3つ折にできるインチ拡大鏡のことです。プロの人が使うものなのですが、昔からあるものなので見られた方は多いと思います。

何をするときに使うかというと、リネンの場合はそれほど高密度な織物であるということは少ないですし、高密度の場合には逆に拡大率が低すぎるので役に立ちません。リネンテスターで一生懸命に組織を眺めている人をみると大変だなあと思います。リネンテスターは、ほとんどの場合ちょうどインチの四角ですので、縦横の密度を計算するため縦横の本数を数えるのです。

リネンテスターという道具は、ほとんど形が変わることなく、たぶん100年以上使われてきている道具ではないでしょうか。子供のころは、すごくかっこよい道具に見えたものです。リネンの織物を拡大して覗くと万華鏡のようにきれいだなあと思うことがあります。リネン糸の一本一本がキラキラとしています。糸というのがまっすぐではなく、地撚りというものが掛かっているのも確認できるかと思います。地撚りというのは糸を紡績するときに掛ける撚りのことで、リネンの番手くらいの撚りが1M辺りに掛かっていることが多いようです。撚り方向は、Z方向とS方向があり、通常の糸はZ方向です。

昔は、リネンの糸もS方向の撚りも必要に応じて手配したこともありました。といいますのは、縦に綿などのS撚りの双糸を使うと、横方向は、S撚りのものを使うほうが、布がくるくると回るカーリングという現象がおきにくいのです。(加工してしまえば非常に微妙なものなので無視できる範囲ではあったと思います。)今では、S撚りのリネンを手に入れることはほとんどできないと思います。

林与には、リネンテスター以外に、普段使う道具としてオリンパスの拡大鏡が1つだけあります。今は手に入れることのできない特別な拡大鏡です。30倍くらいの倍率のもので、ルーペというよりも顕微鏡に属するものなのです。バックライト着きの200倍とか、400倍の顕微鏡もありますが、そこまで行くと逆に使いづらくなります。