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リネンや麻を織る日々をつづっています。
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リネン日記
水通し
2011年04月06日
3日連続の良い一日です。一年あっても、これほど良いお天気の日が続くのも珍しい。

今日は、リネンハニカムの台を2台に増やしました。ご注文に対応できる体制が整いそうです。蜂の巣組織というのは、もっと厚いタイプも出来るのですが重くなってしまいますので、織物がそこそこの軽さの範囲に収まるように考えています。

アパレル向けも含めまして、いろんなタイプも増やしていくと面白いかなあと考えていますのでお楽しみにしてください。蜂の巣組織を織るのは普通の織機では織れず、ちょっと工夫が必要なのです。縦に綿の双糸などを使って横にリネンを織るタイプの綿麻のハニカムは構造上作りやすいのですが、リネンを縦にも使うとちょっと織りにくくなります。

ほかに、昨日から生地の収縮のテストを行っています。収縮率のテストというのは、検査機関では50cmくらいに幅落としした生地の上に通常30cm角でポイントをとって洗ってみて、脱水後、平干しして、縦と横が何パーセント縮んだかを見るのです。厳密には、水の温度や洗う時間など決まっているのですが、実際に製品を作ったあとに洗うのと同じような状況で生地を洗ってあげるとより、生地の収縮の問題が見えてきます。

リネンの場合、薄い生地と厚い生地ではどちらのほうが縮むかというと、一概には言えないのです。通常の生地というのは仕上げ工程の最後で幅出しという作業が行われます。その際に、幅を出しすぎれば物性は悪くなります。また、加工時に生地を引っ張った状態で加工すると生地は伸びているので、洗うと縮みやすくなります。

生地を買った後の水通しが必要なのはそんな理由からです。昔はリネンというのはドライクリーニングが当たり前の高級素材だったので、洗濯の問題は見えてこなかったのですが、最近のカジュアルリネンの世界では水洗いすることが想定条件となります。

アパレル向けなどは物性を考えると糸の吟味が非常に大事なのです。同じリネン100%でも、洗えば洗うほど縮むリネンがあったりします。それを突き詰めていくと紡績方法が異なったりと糸の製造工程によって、洋服の物性が変わってくるのです。ハンドメイドされる場合は、よく水洗いをされてお使いになられることを薦められているのはそういう理由からです。

林与の生機のストール生地などは、洗うと経験上2mでおよそ10cm短くなります。幅も60cmが50cmくらいになります。それは生機だからです。林与の定番のソフト仕上げの生地は、水通ししなくても物性を安定させる工夫をしてありますが、念のため水通ししてから使っていただけますとより安心です。