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リネンや麻を織る日々をつづっています。
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リネン日記
トキ
2011年05月08日
愛知川の川原にトキが飛来しているという話を聞きました。かなり昔に絶滅した日本産なのだろうかと思って話を聞いていると、トキセンターで放鳥した鳥が愛知川に来ているとか、そういえば、近くを流れるあんこ川でも、2年とか前に頭が赤くて鶴みたいな大型の鳥が魚を探しているのをみました。

かつてはどこにでもいたトキという鳥が、日本中から姿を消したのは、自然環境の変化のためだといえます。今は、スズメですらも以前のようには生活していません。ダムの整備と農地の改良が自然環境に大きく影響したといえます。川に魚がいないし、いる魚も放流するらしく、流しそうめんみたいで味気ない世界です。商売としたらそれで大丈夫みたいですが川が完全に死んでしまっているのを感じます。

地場産業もトキの運命と似たようなところがある気がします。海外から入ってくるもので代用されても消費者の方には迷惑すらかからないのですが、完全に置き換えられてしまうと何かひとつ大きな価値観がそこで消えてしまうと思うのです。トキが自由に飛びまわれるような自然環境が戻ればよいのにと思いつつ、地場産業を取り巻く環境も昔の自然に近い形に戻ってもらえたらなあと思います。

今日は、お休みだったので倉庫に行きまして昔の手績糸を撮影したり、なんか500キロくらいはありそうでした。横糸に使うのでしょうか強撚と書いた染めたいともありました。100番と書かれた糸に撚りを掛けたもののようですがすごく細いので、今の麻番の100番手に相当するのではないかと思います。

夜には、会社で近江上布の見本切を本にしたいなあと思って、スキャナーで撮ったりしました。適当な取り込みではありますが、よい感じで近江上布絣をデータに落とせています。絵葉書とかにすると、近江湖東産地や彦根、そして滋賀、京都、大阪の夏を飾った文様として、また、日本の夏の和柄を偲ぶことのできるものになると思います。