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リネンや麻を織る日々をつづっています。
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リネン日記
Eve展
2011年06月04日
昨日、ファッションデザイナーの菱沼良樹氏からお手紙がとどきました。中に、天野喜孝氏とのコラボで行われましたEVE展のカタログも入れてくださってまして、展示の写真は幻想的だったのですが実は写真だけでは理解できなかったのです。謎が残り、カタログを読んでその謎が解けました。Eve展には、ここ何十年の間に人間が物質的になりすぎたことを省みるような意味が込められているのだとわかり、見た目の美しさだけではなくそこに本当の美しさがあるのではないかと思います。

ミラノで展開されていますオーガニックのブランドコンセプトに関してのブックレットも拝見させていただき菱沼氏のもっておられる哲学的な部分を読ませていただきました。ブランドをお持ちで商品展開をされているのですが商品そのものの色形やパッケージも美しいですが、最終は哲学的な美しさの部分で菱沼氏のブランドというものが成り立っているのを感じます。近いうちにお会いする機会をいただけそうで楽しみです。

林与自身のものづくりもスピリチュアルなもので成り立っているところがあるので、出来上がった布としては同じに見えたとしても作り方によっては林与にとっては意味があったり意味がなかったりです。リネン日記にも以前書いたかもしれませんが、布には一つ一つ作ったときの思い出が詰まっています。その部分は、お客様には伝わりにくいかも知れませんが、案外、苦労したものほど外見が悪くて売れにくく残ることもあったりですがそういうものほど作った人にとっては思い出がいっぱいだったりします。

自分が良いとこだわる何かを貫くことが生地の見えない部分での支えになっていると思います。そこの部分がなくなってしまえば他との差がなくなってしまうことが多く、ものがあふれる時代にわざわざものを作る必要すらもなくなってしまいます。昔の布の一番良いところと評価するのは、それを作っていた人が作ることに本能的に没頭していたところではないでしょうか。

今日は、午後から彦根で会合がありました。私自身、バタバタすぎまして曜日の感覚がなくなっており今日が土曜日だと思っておらず、会合が終わってから染屋さんに糸を持っていこうと思ったのですが今日は染工場さんがお休みです。リネンギンガムパープルナチュラル仕上の在庫がなくなってしまいましたので再度生産に取り掛かり、糸の手配ができましたので染から始まっています。