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リネンや麻を織る日々をつづっています。
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リネン日記
織物
2011年07月10日
織物そのものの歴史を考えてみると、近江での歴史は室町幕府時代ということがいわれていますが、実際には、それ以前の人々が服を着ていなかったのかといわれると服は着ていたのですからそれ以前も織物はあったと考えます。

これは世界のどこの文化にも織物文化があるのと似ていて交易される前からその地では消費されているのです。同じものなら別にわざわざ交易することもなく、特殊なものとなって初めて交易されるにいたるだけのことで、交易されても区別が付くというものです。

織物というのがすべて上布なのかというと上布ではない世界から始まっています。私自身は、庶民の間では、カラムシが着物用に使われ、大麻が座布団や布団などに使われたのではなかろうかと考えています。竹や葦などもそうですが編むのに近い作業から始まっているものも多いのではないかと思います。

昔のものが着心地が良かったのかというと、洋服用途に関して言えば、今の日本人からしても本麻よりもソフトなリネンを好む傾向がありますので、今の日本人が昔のものを着て着心地がよいというのはあまり感じないと思います。そんな中で、上布物には特に細い糸が使われたりして、特別のしなやかな世界を生み出して実感できる別世界があったのだといえます。