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リネンや麻を織る日々をつづっています。
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リネン日記
鳥人間コンテスト
2011年07月31日
今日は、彦根の琵琶湖湖畔で行われました鳥人間コンテストを見に行きました。私自身、最近はプライベートで行楽ごとに時間を使うということはほとんどないのですが、そこには忘れた何かがあるような気がして見に行きました。34回大会ということで地元でもものめずらしさというより、そういう活動を支援しようとするファンに支えられているイベントという感じです。

テレビ局の主催なので、タレントなどもいたりしますが、観客はタレントに目を奪われることもなく出場されるチームを応援するばかりです。そういうのも今のチープになりがちなテレビの世界と違って健全さを感じました。パイロットが自力で自転車のようなプロペラ機をこいで、1時間半以上に渡って暑さと体力の限界と戦いながら、少しでも前に進もうとする姿は美しすぎました。応援している人の「がんばれ」という言葉が、酷に思えるほどのパイロットの限界を超えたがんばりに、まだ飛行機を飛ばそうとするパイロットの頑張りには、自分との悔いない戦いというのはこういうものなんだと実感します。観客も感謝をするばかりです。

途中、6キロほど飛んだ後で、風に流されて逆方向に向いて飛ぶことになり、2キロ地点までもどっても軌道修正しながら最後19キロ地点まで到達した頑張りには、すごいよとしかいいようがありません。でも、実際、仕事なんかでも逆走をしいられることもあったりします。そしてまた前に進めるために大きな軌道修正をしてロスを取り戻すのです。1回勝負のことで、狭いコックピットの中では思いもよらない展開にプレッシャーばかりだったでしょうが、あきらめずにトータル35km以上を飛び続ける精神力というのは見習うべきなところです。

帰りがけなんとなくですが、自然に触れたい気がして犬上川の川原に下りました。川原では子供たちがたくさん遊んでいます。ジーンズをまくって水の中を歩きながら綺麗な石を探したりするのは、日ごろ時間というものがすぐに経ってしまうのに今日の一日は特別で長く充実していたのは、自分の中に何か求めようとするものがあっても、目標を変えれば自分が無理してがんばらなくても普通に満たされることもあるのだなあと感じます。

それは鳥人間の世界とはまったく逆のものなのでしょうが、がんばる人を眺める側の人生というのを多くの人は求めているのだろうなあと思いました。観客席に座って冷たい飲み物を飲んでいて暑いだけなのに「暑くて死にそう、次はまだなの?」みたいな、自分中心で現場の空気の読めない残酷さ、そうなっては駄目駄目な集団心理。見ただけで何もしない一日なのに精神的に成長した気分でそれってアカデミックチックな通、自分自身の人間的なスケールが大きくなってないと駄目な気がします。明日からはまた狭いコックピットの中、今日の学生のがんばりは私自身にとって良い刺激になりました。人は年を取ると成長をするのではなく、がんばれたこともがんばれなくなるものなのだと自戒の念に駆られます。