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リネンや麻を織る日々をつづっています。
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リネン日記
ファンド審査
2011年09月05日
今日は、午後からファンドの審査がありますので午前中は資料作成を行っておりました。8分ほどのプレゼンなのですが、語ろうとするとどうしても8分では背景などを深く語ることは難しいなあと思います。

新しい商品をつくり、具体的にそれで産業を発展させるというのがファンドの主旨なのですが、今の時代に、新しい商品を作ったからといってそれで食べていけることは難しいというのは当たり前のところになっています。新しい商品というのは消耗品に過ぎずブームとして1とか2年で飽きられてしまうものではないかと思います。

以前、ある方とお話したときに、国の補助金事業などでも、新しい商品のものづくりを支援しても、実際「売れるもの」というのは本当に少ないということで、おっしゃられているそのあたりの意味はよくわかるのです。それは、普段から当たり前に新しい商品をものづくりしているのですがそれってそれほど目新しいことではないのです。

普段から、面白いとか売れるだろうなあと思って、10個ものをつくっても、結局、売れるものというのは、そのうち1つとか二つなのです。しかも、大事なのは、売れるものでも売れ続けることはないというところで、結局、良し悪しの価値判断の基準が売れる売れないというところになると軒並みなものづくりに終わってしまいます。

林与もやりたいことがあって、たまたまファンドを活用させていただくという形が望ましいのかなあと思うので、3年も使うので、自分のやりたいことをしっかりとやりきるというのが一番大事だろうなあと思っています。ビンテージアイリッシュリネン140番手が織れただけでなく、この2年の取り組みで、従来、麻業界でも難しいといわれていた100番手、120番手を超える総先染のリネン織物を量産レベルと織こなせるようになったことはオンリーワン的な位置づけではないでしょうか。

単なるひとつの商品の開発に終わらず、リネン業界を変えるような技術の進歩を遂げたことは今回のプロジェクトの大きな成果だと思っています。