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リネンや麻を織る日々をつづっています。
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リネン日記
地域的なものづくり
2011年09月09日
林与も普段は地場に根付いたものづくりをしているのですが、製品にする肯定までを地場で行おうとする動きも最近は多いようです。逆から言えば、地産地消という言葉であらわされる概念かもしれません。

林与の場合は、産地でのものづくりをベースに最終的には日本全国の方にお使いいただいていたので、近江上布にしても近江の方に使っていただいていたケースというのはまれだったと思います。滋賀県のお客さんが京都や大阪の呉服店に行って近江上布を買うというのもおかしな話だからです。

伝統とか文化というのは、地域社会のアイデンティティそのものなのかも知れません。地域社会が、それを押す必要など別にないのですが、それが商売としてではなくその地域の主体性を持たせる意味で地域の強みになるのです。たとえ無駄であっても、特色のあるものづくりをしていることが非常に大事ではないかと思うのもその部分で、世間の評価は低いものでも自分自身の中で評価の高いものは作り続けていかないと駄目でしょうし、他の人が作らないものなので、独自の世界がそこに生まれます。