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リネンや麻を織る日々をつづっています。
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リネン日記
ヒガンバナ
2011年09月24日
子供のころに秋にはよく、ヒガンバナが咲いていたものです。彦根の田んぼでちょこっと見かけてヒガンバナのことを思い出しました。毒があるので、子供のころヒガンバナは雑草かと思っていたのですが、動物が畦道を住処にするのを防ぐために意図的に田んぼの周りに植えられていたようです。

稲刈をするころには、赤とんぼが飛んでてもおかしくないころではありますが、田舎でもトンボもほとんど飛ぶことのないのが今の時代です。人にとっては住みやすい環境になったのですが、一方で、動植物にとっては厳しい環境になってしまっているのを感じます。

150年ほど昔に遡れば草から繊維をとって績んでいたのが日本です。彦根では井伊直弼と150年祭というのが行われましたが、まさに、文明が海外から入ってくると中にあった文化は手軽なものに置き換えられていってしまうのです。ヨーロッパですらもリネン文化があったのに、アメリカから安価でやわらかい綿が入ってくると、リネンは綿に置き換えられてしまいました。北アイルランドには100を超えるリネン紡績工場があったのに、ほんの100年ほどで、ひとつもなくなってしまうというほどの勢いです。

日本も60年ほど前まではほとんどの人が着物を着ていたのに、それが洋服になっているのですから、文化と文化の戦いなのかなあとも思います。実際には外からの力ではなく中から外のものを取り入れようとする中からの動きのほうが大きいのです。世界で何か便利なものが作られると、それが1年もしないうちに世界中に広まるのが今の時代です。