2011年10月18日
今日は初日、10月も後半に差し掛かっていても暑く感じるくらいのよいお天気で、展示会の会場の中で過ごすのがもったいない気すらいたします。今年は、昨年と違って朝もスムーズに会場に入れました。最初に中国のリネン紡績会社の方が来てくださり、お話を聞きました。ヨーロッパの原料が高くなりすぎてなかなか苦戦しておられ、一方で今年の原料自体はそれほど悪くないということらしいのです。
特別の招待者しか入場ができない初日はの最初のお客様は毎年きてくださっている中国のグループでした。今回はJETROさんが招集されたVIPバイヤーさんという形でのご来場でした。日本からはすでに生地を大手商社さんからは購入されているそうで、弊社に期待されているのは機屋との直接のつながりがしたいということらしいのです。また、自分のオリジナルをつくりたいという思いを強くもっておられ、こういうのはできますかとか、すごく前向きなブランドさんで中国のなかでも伸びられているのが分かります。日本の工場も見学したいということで、そこまでやる気でお話できるとありがたいです。
林与のブースに来ていただくお客様というのはなぜでしょうか、昨年もお越しくださいましたね、という方が多いのです。今日は、中国や香港のバイヤーさんをはじめ、アメリカ、スウェーデン、オーストラリア、トルコなどの方がブースにお越しくださいました。紺九さんにお染いただいたビンテージアイリッシュリネン140番手生地を筆頭に、インディゴで染めたものには注目が集まっていました。
今日は、中国人のお二人の方が来られて尋ねられました。中国なら1m30元(400円)で似たようなものがつくれますよ、日本のものはどう違うのですか?と質問されました。そういうところがご理解いただけますよう、今回は冊子を100部持ち込んだのです。
リネンの世界をご存じない方は同じものがつくれるとおっしゃられますが、2倍細い糸を手に入れることが可能なのかからはじまると思います。ボリューム生産向けの生地にしても、糸からリネン紡績会社のわずか数十キロしか在庫にない細番手の糸を購入して作った生地で織ることすら簡単ではないのです。
リネンの紡績会社の方もこられましたが、今回は前回よりも番手が落ちていました70番手(NM42クラス)までの糸を作れますというところが多かったです。昨年はNM60クラスができますと言われてこられるところが多かったのに、すでに中国紡績のグレードダウンが起き始めているような気がしました。前回よりもリネンの紡績工場も訪問が少なくなり、もうこれからは中国国内でもリネンの紡績工場が増えることもなく減る一方ではないのかと思います。
夜は、近江湖東産地の大長さんとアサヒ産業さんにお誘いをいただきまして、テレビ搭近くのレストランで夕食をご一緒させていただきました。その後、ホテルに帰るために乗ったタクシーが偽タクで旅の醍醐味を味わいました。こういう経験も本物じゃないかと思います。