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リネンや麻を織る日々をつづっています。
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リネン日記
染め上がり
2011年12月22日
今日はレピア織機を動かしていました。2反ほどの仕事なのですが、乾燥しているせいもあってか、糊のついた糸なのに毛羽立ちがあり、そこに毛玉ができて、真ん中の糸が切れてしまうような現象が起こっています。織機はすぐに止まるので問題はないのですが、1mを織るのに10回程度その問題に遭遇するので厄介ではあります。

夜には、リネン糸が茶色に染まってあがってきました。染屋さんには、先日のリネンの糊付けが甘かったことを伝え、問題を事前にフィードバックしておきます。シャトルで織るので織れそうですが、整経で素抜けするくらいですのでレピアだったら織れないと思います。同じ分量の糊を入れていても、しっかりと混ぜていなければ、糊は底にたまっているだけですので、しっかりとした糊がつかないということもありえます。同じ作業に見えても人が違えば出来上がりが違うということはよくあることです。糊付けの指示を出していても実際には糊をつけていなかったということもあったりするので、実際に糸を触って、そういう異常に気がつく感覚というのは大事だと思います。

早速、チーズアップしてもらうためにチーズ巻き屋のおじいさんのところにもって行きましたら、すぐにしてもらえるということで助かります。今の時代は、わざわざカセで染めるということをしなくなりましたので、チーズ巻き屋さんの仕事というのも昔と比べると何十分の一になってしまっています。

繊維産業というのは家内工業的な要素が高かった産業ですので、農業の延長線のような感じで、おじいさんやおばあさんが気長に手仕事して、それが仕事となっていたところがあり、価値の高いものづくりができていたのが日本のものづくりの特徴でした。今では、そういう職人気質なものづくりが難しくなり、年配の方でも根が続かないといわれるかたが多いものです。