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リネンや麻を織る日々をつづっています。
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リネン日記
織機直し
2011年12月29日
今日は、レピア織機の修理を行いました。以前、レギュレーターのピンが外れてそのピンを入れなおしたのですが、今回もその部分がまた問題のようで、レギュレーターブロックがどこかに消えてしまっています。

急ぎの仕事の分なのでなんとかお正月明け一番に加工に出したいなあと思っているもので、結局、台のほうを乗せ変えて対応を行うことにしました。機とビームを一緒に外してそのまま他の台に載せ替えを行います。2人掛りで行うとそれほどの作業でもありませんが、たくさんの縦糸を緩めるので慎重を期します。

昔の織機はいつまでも使えて今の織機はすぐに使えなくなるというのも、調整ひとつが手すらも入れにくい作業になるのが今の時代の織機です。昔のシャトル織機は常に織りながら調整をするために人が織機にもぐることのできるスペースが設けてあるのです。

今の時代の自動車もそうで、触ろうとしても触れないくらいにボックス化されてしまって、ディラーに修理に持っていかないと対応ができません。そこで、部品を修理するのではなくひとつのユニットを丸ごと交換するという作業になります。

昔、ノートパソコンが壊れたときに修理に出しましたら、なんと、中身がすべて新しく交換され、外のケースだけが中古のままというような修理方法だったことがあります。実際にここまでなると修理というよりも交換でしかないと思います。

織機につけた新品の10台のインバーターなども3年ほどしか持たずにほとんどが寿命がくるというのも織機自体が50年選手なのに、今の日本の大手メーカーの作っている汎用機器が3年しか持たないというのは、汎用機器の部品すらもが日本製でなく、海外部品特有のコンデンサーの弱さが製品寿命に出てしまっていて、日本のブランドはついていてもかつてのブランドの実力はないことを思い知ります。

以前、日本のテキスタイル危機を取り扱う会合で、質問の際に韓国の記者が「昔の日本製は良かったが今の日本製は良いものがない」といわれました。日本のものづくりをしているみなさんを前にそれを言われるので勇気のある行為ですが、たとえば、コンデンサひとつにしても、日本のものは何十年選手だったものが、安い部品にひとつ置き換えられると信頼性の面では差別化ができなくなってしまいます。