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リネンや麻を織る日々をつづっています。
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リネン日記
厚地
2012年01月08日
このところリネンの厚地を織っています。もっと厚く織りたいなあと思えば、更なる手法を使えばあと1割くらいは上げられるかと思うのです。あまり厚くしすぎると織っているときにダブる現象が起こります。それは、目でも生地が前後に大きく筬が打たれるときに動くのでわかりますが、もうひとつ織機の音が苦しそうになるので、これ以上行くと織機が壊れてしまうなあという話になります。

もともと、林与の織機は重織機ではないので、あまり厚いものを織るのには適していませんが一方で重織機だと麻の細番手のものをおるのにはトルクが大きすぎて辛かったりします。

2年ほど前に66番手の糸で縦インチ100本X横インチ88本の織物を織りましたが、まだ糊を付けて糸を強くするなどすれば、縦横でインチ200から220本くらいまでいけそうな気がしました。縦糸がももけて織れなくなるのです。通常ですと、55本X55本くらいの織物で、縦横でインチ110本くらいの織物な感じですが、その2倍くらいの密度まで上げることができることになります。

前にも書きましたが、縦本数が2倍、横本数が2倍ですと、単純に糸が4倍になるだけでなく、単純にみても4倍難しい織物になりますので、実際には限界までいくので、生産性の面で10倍から20倍難しいレベルの織物になります。出来上がったからといって4倍の値段が通るかというと通らずで、高密度の織物というのはつくるメリットは少ないのです。

世の中には出回りにくいリネン生地ですが風合いなどはとても面白い感じです。今、織っている40番手も織りだけでなく、加工も特別にしました。厚地だからといって太番手と同じような顔だと面白くないのでナチュラルにこだわってみました。

ジャパンクリエーションの展示会でイタリアの方とお話したときも、リネンの厚いものは必要ないというようなコメントをいただいたことがあります。やはりイタリアは暑い国ですので、リネンの厚いものというのは北アイルランドなどの寒い場所に向くのだと思います。