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リネンや麻を織る日々をつづっています。
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リネン日記
古代の織機
2012年01月24日
織物の起源に関する秦氏(はたうじ)に関しては諸説ありますが、私自身は歴史は苦手なタイプですが、一番最初の大陸からの技術の伝播は、中国の秦の始皇帝と関係しているほうの説が近いんじゃあないかと思っています。そこに徐福という人物が現れてきます。

昔の国の概念というのは、ヨーロッパの新大陸発見もそうですが、中国にしても日本は新大陸のような概念で送り込めばそこを領土の一部と考えているような感じだと思います。弥生時代に急速に織物が発達したとされるのも、中国の織物技術が入ってきたからではないでしょうか。秦氏というのは、秦の始皇帝の使節団というようなところからきているんじゃあないかと思います。皮肉にも徐は秦ではありませんが…。

もちろん、日本以外にも朝鮮半島にも進出して、朝鮮半島から日本にくるほうが簡単ですので、後の織物技術の伝播の経路は朝鮮半島経由になったのではないかと思います。大陸から日本に何千人規模でくるほどの技術をもっているとするなら、何千人が力を合わせてひとつの目的を達成するということは今の時代にはないことで、当時の中国の織物技術にしても今の時代以上のものが存在しても当たり前だと思うのです。

徐福は実在した人物だとされているので、それが秦の国から来たということで、秦氏と呼ばれたと考えるのがいい感じな気がします。日本の織物の歴史も、徐福伝説で成り立っているところが多いですので、私自身は朝鮮半島からの影響よりも以前に中国が先人として技術をもたらし、そのあと、朝鮮半島からの伝播に変わったのだと想像をしています。

そういう徐福伝説の前に、日本に布がなかったのかというと、だれもが考える地機という方法で、縦糸を何本も平行に張って、織り筬の代わりに平べったい棒で横糸を編むように一本一本縫って、そこに横糸を通して、棒で横糸を詰めて織るような方法もあったかとは思います。別に杼を使う必要もありません。そういうのが古来のテキスタイルの形だと思います。腰機なんかは、杼を使いビームもついていて、人の動作でテンション管理ができるのである程度進化したモデルです。また、アンギンと呼ばれる縦糸を絡ませながら編むような織物は縄文時代の織物だとされています。大きいものは作りにくいですが。農作業の藁を工作するような延長にそういう作業があったと思います。

昔の織物が見つかっても織機が見つからないことがあるかも知れませんが、昔の織物というのはたぶん織機が必要なかった可能性も高いのではないかと思います。