2012年02月13日
今日は、テックスワールドの初日です。今日は、日本関連のお客様ということで、アサヒ化成の方や繊維ニュースの方、日本に興味のあられる方が3分の1くらいはお越しくださいました。ヨーロッパのデザイナーさんらしき方とお話できたのは4件ほどです。ほとんどの場合、ものが流れないとすると名刺交換をしないのがこちらの流儀のようで、こちらの名刺と会社案内はとっていかれるものの相手が誰なのか分からないケースが多いものです。
そんななか、繊維ニュースの取材に来られていたご婦人記者の方と話し込んでいると、ブースの外で話が終わるのをずーっと待っていてくださる方がおられまして、礼儀正しい方だなあと気にはしていたのですが、お話が終わってからブースに入ってくださったのですが、アイリッシュリネンにはとくに興味を持ってくださり、すごく褒めてくださるのです。美しいものを見せてもらえたので今日一日が幸せだ、みたいにおっしゃってくださっていました。日本のコットンやウールも使っておられるそうで、ベルギーの天然素材にこだわったデザイナーさんで、ベルギーではこんな感じのリネンは手に入らないといわれてたのが今回の調査の目的のひとつを果たせたかなあと思うところで、最後にご自身のコレクションの作品のブックレットなど取り出して見せていただきました。ワンピースがメインので、流れるような形がすごく素敵でした。デザイナー、ソフィードールさんで、将来、またどこかでお会いできる気がします。デザイナーさんが素材に対して暖かなのはいいですね。
ほかにも明日からプルミエールビジョンに向かわれる方で、非常に丁寧に接してくださる方が何人かありました。初めてお会いしたのにすごく素材を褒めてくださり、やっている方向性を応援をしてくださっているのが伝わってきてうれしいところです。林与がそれなりに良いなあと思って並べているハンガーたちなので、普通に見えても普通じゃないのにしっかりと素材の味に気がついていただける方が何人かでもおられるのがうれしいところです。初めての出展で目立ちにくい一番小さなブースですので暇な時間も多かったですが暖かなお客様に恵まれました。
今回、非常に残念なのは日本のワビサビの世界を感じることのできる近江上布を持ち込もうとしてアパレルの試作品を優先して割愛して持ってこなかったこと、リネンとは違う日本らしい本麻のディープな世界は、きっとヨーロッパの人々に興味をもっていただけることと思うのです。日本の伝統的な着物の世界というのはディープで、ヨーロッパの人々が求めている布つくりのスタイルなんだと感じます。林与自身、着物の世界とは離れていますので、着物の世界の皆さんには日本のテキスタイルのイメージの象徴として残っていってもらいたいと考えます。