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リネンや麻を織る日々をつづっています。
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リネン日記
ものごとの変わり目
2012年02月22日
今日は、午前中は新しく会社に来ていただく親戚の方の仕事始めでした。織物の仕事というのは根仕事と言われるので、どれほど根気強く取り組めるかが一つのポイントです。1ヶ月もすると仕事に慣れてそれが当たり前になるのですが、最初の1ヶ月でどこまで自分で自分を磨くかという姿勢を身に着けないと後の成長というものは遅いものです。この最初の1ヶ月を乗り越えてもらいたいなあと思います。

今の時期というのは結構忙しい時期ですので、仕事をスタートするのには悪いときではありません。机の上でじっくりと覚えてよりも、現場で体で覚えるほうが何倍も価値があって、実際の仕事というのも現場での問題の解決がほとんどで知識ではなく経験値がものを言い、答えが分かったとしても実際にその問題を解決するための手段を持っているのか持っていないのかが大事です。

私自身が仕事を始めてした日のことを思い出しました。工場の中で、糸を機結びに結ぶことすらもが苦痛で、それを一日に何百回もしないといけないので、その度に結び目の感じが違ったりするので、自分自身でも気持ちが悪かったのを覚えています。

できるだけ結び目を小さくしようと糸を短くカットすると結び目が解けると文句をいわれたり、縦糸が一本切れていると出てこないと文句をいわれたり、織れない織れないと文句をいわれたりするのですが、何百本もの麻糸をコントロールするのはたやすいことではありません。しかしながら、感覚というものが非常に大事な整経という作業をとことんやっておいたおかげで、織機に依存する度合いの大きい機を織る基本的な作業というのは部分的な簡単な作業に思えました。

綿の整経とリネンの整経とラミーの整経では、難易度がかなり違います。ラミーが一番難しいのですが、特にこんにゃくの糸を整経するのは糸がつるつる滑って後ろに落ちたりして大変です。リネンなんかはそれほど整経は難しくありません。一番整経で、難しいのは、強撚Z撚りの糸と、S撚りの双糸を交互に並べた整経などで、これは、隣の糸がくっつき合って大変なことが多いものです。また、織機で繋いだ後、送るときに撚りが戻るという現象が起こり、送るのが非常に難しいのが普通です。

夕方には、町の方と組合の方がお見えくださりまして一つのご提案をいただきました。それほど難しいことではありませんので、近々実現するような形に向かっていくものと思います。麻の本場近江湖東産地のイメージのPRのお役立てればと思います。いろいろな皆さんが地場産業である麻織物を盛り上げようと動いておられるのも感じます。