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リネンや麻を織る日々をつづっています。
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リネン日記
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2012年02月24日
今日は、3月中旬から林与で新しく働き始められる方が住むところ探しにこられました。田舎というのは逆にチョイスが少なくて賃貸物件も割高のようで、住むところを探すのも一苦労なのが田舎の生活です。車がないと生活が難しいというのも田舎の生活の特徴です。電車の待ち時間や都市に何時間も掛けて通勤することを考えると一日のロスというものはさほど大きくはないと思います。

夕方頃、この3月に長年勤めていてくださった麻組合の事務員さんがご退職されるということをお聞きしておりましたので組合にご挨拶に伺いました。同時に展示してあるものを見学もさせていただいて、麻組合では、アマチュアのクリエーターの人の力を活用していろいろなものづくりに励まれているということで、地元にハンドメイドのクリエーターの方たちが増えているのだなあと思いました。

夜は、機を載せ変えてしてもらったのですがうまく動かないということで、原因の究明です。レピアの頭同士がぶつかる現象でこれは普通ではなく、レピアの調子云々ではなく根本的に何か大きな間違いがあるので間違い探しです。気がついたのが筬前とレピアのライナーの間が異常に広く思えること。厚さ調節のための筬を押さえる金具を筬の後ろに当てないといけないのに、筬の前に押さえの金具が来ていました。筬を外して金具の位置を調整して問題が解決しました。

不思議なもので織機というのはいつも同じ調子かと思えば、すべてがうまく動かないと正しくは織れないので、なにか調子が悪いときに調節したことが本当の原因でなくそれがまた原因となって本当の良い調子にたどり着くのが難しいことが多いのです。

糸が端から端までしっかりと入っていなかったので、レピアバンドの受け渡しの位置の調整を行い。レピアオープナーという部品の形を三ダーで調節したり、部品があればそれでよいというのではなく、部品の形が気に入らなければ、部品自体を自分で加工して作るという作業が必要になってきます。実際にこういうのはやって自分の作業が通用するのかしないのか確かめて、考えたとおりにうまく織れればそれでよしなのです。また、糸切れが多かったので、糸に負荷が掛かりすぎるということで、筬が叩くときのドビーの開口の度合いも少し少なめに調節しました。誰も触っていないのに開口のタイミングがずれるというのもおかしなことですがそれには考えられる要因というものはあるものです。

今日はまた、以前、機械の修理の際にレピアヘッドがつぶれて壊れたので代わりのレピアヘッドをいただいたのですが、それがねじがつぶれていて調節ができないので、最初の壊れたレピアヘッドの再生を行いました。できないと思っていてもバイアスでしっかりと固定しながら丁寧にハンマーで叩いて形を整えるとそこそこもとの形に戻って、これならいけると思うところまで調整ができたら大抵普通に使えるように戻っています。これも、普通どういう形をしているものなのかというのさえしっかり頭にあると、そのイメージに持っていけばよいだけなのでそれが経験なのだと思います。

それをするための周辺の道具なんかも部品以上に大事です。ドライバーやレンチなんかも、合う大きさのものや厚さのものがなければ、サンダーで削って合う大きさに調節して使います。失敗してもそれはそれで経験、失敗しないようにマニュアルで作業手順を教えるというのもできない人を増やす教育の一つの方法で、失敗を自分の責任で積み重ねていくことがなかなか経験することのできない経験で、面倒でもうまく織れるようになったときの感動やものを作っている実感があって、いいんじゃあないかと思います。