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リネンや麻を織る日々をつづっています。
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リネン日記
故障
2012年05月18日
織機というのは非常に長持ちするもので、レピア織機にしましても消耗品を除いては30年以上ほとんど本体には問題がなく使えているのが今となっては不思議です。今の機械というのは10年も使うと磨り減ってしまうのが当たり前なのに、昔の機械のほうが丈夫な素材で作られている。電気回路なんかにしましても一つ一つの部品が何十年も持つように作られているのに今の部品と交換すると1年くらいで同じ場所が悪くなります。

今日は昼から織機の電気部品の交換に機械屋さんがきてくれました。しかしながら、これってどうなるのかなあと思います。国内の織機メーカーが今も昔の織機の保守ができるのかというと、見た目のスペックは上がっていくものの、一番大事な耐久性や保守の面など見えない部分は今の電気製品と同じで5年とか7年の消耗品に近い扱いで、機械メーカーの人と同じくらいの機械語との専門知識を持った人がいなければ、機屋というものの存続雄難しいなあと思います。

電気部品の交換は30分ほどで完了し問題が直りました。故障箇所が、機械の使い方などの問題と絡んで最初からおおよそ推測ができていたので、修理としては簡単なのですが、その部品を手に入れるということができなければ、機械そのものがゴミとなってしまうので、保守ができなくなってくると工場自体の存続ができなくなります。

私が想像するのが、新興国で立ち上がる織物業にしましても、国が栄えるようになれば、より貧しい国に生産がシフトしていくので、織機を買い換えるのではなく織機をメンテナンスしていかねばならないときがくると思うのです。そのときに、日本のように続けていくのか、あるいは、やめて違う仕事に移り変わるのか、という問題に遭遇するのではないかと思います。日本も織機のメンテナンスの面では不安要素が多いですが、新興国の産業のほうがその問題に直面するのは早いかもしれません。