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リネンや麻を織る日々をつづっています。
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2010年1月
リネン日記:29
2010年01月09日
今日は、午後から組合関係の件で事務局長が来られて書類つくりをしました。そのあと加工工場の社長が見えられ麻の組合のほうでやっておられる事業に関しての商品を見に来られて、私は加工方法やプリント関係などのお話をお聞きしました。

昨日の新聞の中には、リネンのトレイサビリティの話もあったのですが、ほかにも林与の中国進出に関する記事も載せていただきました。ファッション業界では、日本が今まで世界の高級ブランド品購入のNO1だったのですが今では中国がそれを抜く勢いです。世界で一番安いクラスものが生産される一方で、世界で一番高いクラスものが中国で消費されるような時代になって来たと思います。

私は、20年ほど前、カリフォルニアにいたのですが、そのときのアメリカの流通のシステムには驚いたものがあり、それがまさに、今の日本のファストブランドです。次は、中国企業が本格的に日本に進出してくると、ファストブランドを超えた、より安いワンコインの時代になり、ファストブランド的な量販でも太刀打ちできないような時代になるのではないかと考えています。

中国の展示会でも思ったのですが、林与は日本企業なのに、中国で布を作っていると思っているところが多いようで、中国のどこで生産しているのかたずねられます。それは、海外に進出している繊維関連の日本企業が、総じて日本での生産というものをしなくなって中国製品を扱われている点にあると思います。

展示会で「どこで作っているのか」とか「いつから仕事をしていますか」と聞かれて、「日本の自社で作っていす。100年以上の歴史があるのですよ」という話をすると、中国の方もそういう特別な要素を期待して日本企業のブースに来られるようで、生地の見た目だけでなく、ものづくりに関するバックグランド的な話を詳しく説明を求められ、ものを見て、値段、ロット、納期、決済方法だけで話が済むような商品ではないという点がほかとは違って新鮮なようです。
2010年01月08日
林与も、麻やリネンに関する正しい知識を消費者に伝えなければならないと考えているのですが、今日、業界関連の新聞を眺めていましたら、ようやく、リネンの大手さんもリネンのトレイサビリティを明確にしていかれるとのことでした。

現在リネン業界においては、大手さんのものも含めて中国紡績糸がアイリッシュリネンに化けて販売されているというのが実情で、今ではというより、10年ほど前からでしょうか、アイリッシュリネン糸と呼べるものを日本中の糸商が手配することはできなくなって久しくなっています。15年ほど前でも、北アイルランド紡績の糸を何銘柄か林与は品質重視で使い続けていたのですが、高価なために使えるようなアパレルさんというのも限られてきており、北アイルランドでの紡績というものを廃業が続いて2004年には完全に火が消えたということです。しかしながら、日本では、リネンに関しては適切な情報が、糸の販売元から伝わっておらず、大量のアイリッシュリネン糸がトレイサビリティもなくどこからか生み出され、生地になって販売されてしまっているのです。

本当のアイリッシュリネンを知っている方ならご存知かと思うのですが、アイリッシュリネンの色というのもありまして、一般にゴールド系な感じです。エジプト系のダルな黄色っぽいのとは違って、艶のあるゴールドなのです。ゴールデンアイリッシュと呼ばれるキリリィというブランドなどの糸は、ほんとゴールドでした。ハードマンズ社も昔の北アイルランド紡績の頃の生成糸はゴールドっぽいです。アンドリュース社のものも生成はゴールドっぽかったです。ほかにも林与の在庫に眠るアイリッシュリネンは今では手に入らないゴールドカラーのものが多いです。今では、高級リネンの標準カラーになってしまっているイタリア紡績糸を初めてみたときには、アイリッシュリネンとイタリアンリネンの色の違いに驚いたものでした。

北アイルランド紡績糸にしてもイタリア紡績糸にしても、糸の価格が高いので、その値段が通るブランドさんというのが本当に少なかったですから、林与のリネンというのは、当時高いといわれたリネンの中でも本当に特殊な世界でした。

今のリネンのグレーっぽいものは、ベルギーやフランス産の原料を使用しているなあと感じることができます。イタリアンリネンっぽいカラーです。今の高級糸と呼ばれるクラスは、イタリア紡績ものにしても中国紡績、昔あった韓国紡績ものにしても、原料の出所が同じなので、同様のグレーカラーに統一されている感じです。1亜、2亜の区別や、あとは格付けみたいなフラックス原料のグレードや紡績技術の差で糸の良し悪しが決まってきます。

また、リネンの糸の原料の産地というのは、出所が正しければ、作柄の悪いとしには、どの銘柄のものも一様に同じ悪い性質がでます。ベルギーにしてもフランスにしても国境を境にした隣接した限られた地域でのフラックスの栽培なので、作柄や天候が悪いときには悪いなりにどの銘柄にしてもその癖がでるのです。糸質が悪い年には、良い糸がまったく手に入らないような状況に追い込まれたり、リネンに対する需要が伸びると、出所は限られているので世界的な原料不足に陥ったりします。紡績会社も糸商さんも在庫というものをほとんど持たない時代になって来ているという裏返しです。
2010年01月07日

今日は、1月7日、お粥を食べる日ですね。皆さん、お粥をお食べになられましたか?林与が食べましたお粥は、草がまったく入っていない、お湯だけのお粥でした。草を入れるの忘れたのかなあ。

今日は、夜に組合のほうの委員長会議があり参加いたしました。彦根の「繊維ものがたり」講演会のほうは2月20日に彦根文化プラザ、エコーホールで行われますが、その講演会のほうの準備も進捗状況などの報告もありました。

ほかに来年度事業に関しての意見交換や、補正予算についての金額の話しなどありまして、来年度、彦根の縫製業界のプロモーションの件についての話も出ました。

皆さん、ひこにゃんブラというをご存知ですか?ひこね繊維協同組合が作って販売をしている商品で、全国的なメディアにも取り上げられました。詳しくは、ひこね繊維協同組合のホームページをご覧くださいね。

ひこね繊維協同組合ホームページ http://www.hikoneseni.or.jp/

2010年01月06日
今日は、加工屋さんのひとつが仕事始めでした。加工の指図帳というのを最後のページまで使い切ってしまっていて、朝、新しい指図帳をもらって加工に出しました。この日記をごらんの皆さんは「加工」という言葉に馴染のない方が居られるかと思います。

普段、生地を生地屋さんや問屋さんに売っていても担当の方は、生地を「加工」しなければならないということをご存じないことがあったりします。たとえば、洋服向けの細番手の麻糸というのは、弱いので、縦糸には糊を付けて織ったりします。織るときに、横の糸には織りやすいように水で分解する油を塗ります。

加工においては、糊抜きをして、洗って油分を落とすのです。それだけではありません。加工に投入する前に、麻の場合は毛羽が多いので、その毛羽を焼きます。そうすることで、表面がきれいな織物になるのです。

加工は、成分を落とすだけではありません。やわらかくするために柔軟材や選択したときの物性をよくするために熱でセットされるような樹脂を添加したりもします。また、表面に変化をつけるのも加工と呼ばれます。ワッシャー加工、タンブラー加工、そのほかいろいろ。

水につけたキバタが乾くと縮んでいますので、幅だしという工程を経て、表面が一様な織物が仕上がります。加工だけでもたくさんの人の手がかかり、通常は加工に出してから1週間くらいは待たないと織物が加工からあがってきません。単なる洗濯ではありません。
加工方法により、ひとつのキバタが何種類もの風合いや表情の織物に化けるのです。

織りあがったキバタをお店にそのまま並べてあるようなケースはほとんどなく、なんらかの加工を施して織物は、お店に並ぶのです。キバタというのは経糸がアップアンドダウン、横糸は比較的まっすぐな状態ですので、加工をすると、横糸がアップアンドダウンするため、横方向にリネンの場合、15%ほど縮むのが普通です。加工前に、127cm幅くらいのキバタが110cmくらいに仕上がります。

加工方法を決めるのは加工屋さんの仕事ではなく、織物を企画するものが、加工屋さんに加工方法を指定して加工してもらうのです。林与の場合、実績のある定番の加工が多いです。定番以外の加工は、10年とか着ることを想定した高級な麻ものには品質的な実績の面でも心配なのと、あと、流行に流されないようなベーシックな加工方法のほうが何年も着続けることを考えるとよいのです。

服の形も、ベーシックな形のものを選ばれるほうが、麻というのは丈夫なので、流行に左右されず何年も着続けることが可能です。
2010年01月05日
今日は、午前中に金融関係にご挨拶に回り、組合のほうで休み中に私が進めていました件を事務局のほうに伝達しました。会社に戻ってからは、初出荷を3社にいたしました。

染工場のほうが今日が仕事始めだったので、新年のご挨拶と年末にお願いしていた数件の染の進行状況を確認いたしました。今日は、あわただしい一日で、今年の仕事が本当に始まったんだなあという実感です。

でも、この忙しさというのが、作ることがタイトになってしまったがための忙しさではないのかと思います。無駄をなくすために、サンプル、着見本、本番という流れでのものづくりとなり、究極のエコではあるかもしれませんが、単純に考えても、製造工程自体が、物価の差を抜きにしても、コストと時間が3倍くらい掛かるものの作り方になっていて、国内でのものづくりの手法というのは忙しいだけで終わることも多いのです。

彦根周辺の国道沿いなども、常に新しいお店がオープンし、3年~5年しかもたないのが当たり前の時代で、もう、代々やっていくような商売というのは、もう日本では生まれてこないのかなあと思います。
2010年01月04日
今日は、仕事始めでしたが組合のほうのことで動いていました。明日から縫製組合のほうの事務局も動き出すので少し準備的なことができたかと思います。

会社のほうはマフラーの縫製とか、検反や加工出しの準備とか、内部的には本当に静かなスタートです。それでも、お電話や年末に書いたメールに対してのお返事などいただいたりして、外の世界も今日が仕事始めのところが多いんだなあと、新年の実感です。






2010年01月03日
正月三が日も今日で終わり、今年は1月4日からスタートのところも多いようで、林与も明日から仕事始めです。加工工場などは6日からということで、まだ、少し時間があるので、その間に加工出しの準備をいたします。

今日は、新年のご挨拶も兼ねて、電話、メール、FAXでいろいろな方との連絡を取りながら、明日から始まる仕事のほうの段取りもいたしました。私自身の仕事とは別ですが、頭の中で整理しておかないといけない案件が3つくらいありまして、うまく進むかどうかわかりませんが、うまくいけばと思っています。

麻織物をやっていると、冬場というのはピークの時期で、一年のスタートという印象はありません。学校とおんなじで3月末というのが一年の終わりという感じで、4月くらいから翌年ものの企画に入ります。

今年なんかは、今から今年の春夏向けの素材開発に取り組もうと思っています。リネンのチェック柄なんかが人気ですので、新柄を組んで展示会などを通じてたくさんの皆さんに見ていただきたいなあと思っています。
2010年01月02日
今日は、冬の伊吹山の山頂を目指したのですが、雪のため途中で断念して、新しいジャンパーを買おうとお店を回りました。私のポイントはどれだけ軽い感じで暖かいかということです。たくさん試しに着てみて、一番、暖かいものを探して買いました。

昔、8年間ほど、冬には毎日ほど着ていたバックにアイスホッケーのチームのロゴの入ったメイドインUSAのダウンのパーカーがあって、それを着ていると毎日幸せだったのですが、残念ながらあれを凌ぐようなものはいまだ見つかりません。それは、ブランドのものという訳でもなく、特別高い訳でもなかったのですが、不思議なダウンパーカーでした。

今回のジャンパーも、結局は帽子のついたパーカータイプにして、仕事がしやすいように、サイズは大きめのLLを買いました。私の仕事のポリシーに、問題があれば、一番に機械の下にもぐりこんで直すという姿勢を貫いています。仕事をするときに着る服は良い服である必要はなく働きやすさ重視です。

タイトルにあります、「静かなお正月」というのは、昔、子供のころに感じたお正月の賑わいや楽しさというのが今はないなあと思うのです。1月2日から開店しているお店とかもそれほど混雑している雰囲気ではありません。大きな神社の初詣よりも、地元のほとんど人手のない神社への初詣に意味を感じるようになりました。

卓球をしようと卓球台のあるボーリング場を探したのですがなく、インターネットカフェみたいなところで卓球を見つけたながらも一緒にいった社員たちが身分証明ををもっていないということで利用できず、代わりに、賑わいを求めて、ショッピングセンターのゲームセンターに行きました。子供のころあれほど好きだったコインゲームに自分自身が熱くはなれず、大人になってしまったんだなあと感じましたが、エアホッケーは熱く楽しめましたのでまだまだ子供の部分が残ってて安心しました。
2010年01月01日
あけましておめでとうございます。お正月ということで、午後から家で姉夫婦と妹夫婦が焼肉の準備をしてくれ食べました。焼肉は正月料理ではありませんが、とにかく、お腹いっぱいでした。

ビールもお歳暮にいただいた「DOPPO」という岡山の地ビールを飲んでみました。飲みやすいながらも深みのある味でした。甥っ子たちが、カードバトルのようなものをやっていたのですが、聞いても意味が分からない世界です。この前生まれた姪っ子は、ちょっと大きくなっていました。

今年は、新規のリネンのものにさらにチャレンジして林与のオリジナルな世界を深めたいなあと思っています。この一年皆様のご支援をよろしくお願いいたします。