2010年06月02日
今日は、合繊関連の糸メーカーのほうに問い合わせをさせていただきましたところ、快いい対応をいただきまして、日本にも熱く動いておられる方がまだまだおられるのだなあと言う実感をいたしました。
お話をさせていただいていて、やるやらないの物事の判断というのが私の物事の判断方法とかぶっており、まさにものをつくるメーカーさんだなあと意気込みを感じました。そのような方と出会いがものづくりの大きな助けになります。でなければ、自分自身で他分野のことを一つ一つ解決していかないといけないのです。
実際に分業体制というのが進みすぎて、工程データ管理はできていても、会社の中の人がものを見ていないケースは増えてきています。流れ作業になりがちなのです。同じデータで動いているつもりでも、出来上がったものの風合いは異なってしまっていることが多いのですが、その出来上がったものの風合いというのを判断する職人的な人というのはいないのです。
最終に仕上がったときの技術的な問題は当たり前ですが、風合いなどの話までもを、糸商さん、染工場、加工工場をはじめとする関連企業さんに伝えることがあったりするのですが、それを大事だと思われる方に話をしないとお話をしても無駄に終わります。
不思議なもので、同じ原糸を使用して、同じ工程で織った布というのが、同じ風に上がらないというのが、合成繊維の世界とは違う麻の世界なのです。特にリネンではその傾向は強いかと思います。原糸の製造ロットが違うと、フラックス原料の畑からして異なってくるので風合いの違いというのは生じてきて当たり前かもしれません。この問題が再現性に影響してくるので、紡績メーカーの品質の安定性に対する意識というのは非常に大事なのです。
前にも書きましたが、ヨーロッパで長雨の続いた年のロットはどこのメーカーのものも、通常のそのメーカーの色よりわずかに濃く硬かったのです。このことはヨーロッパの原料を正直に使用しているということであり、その年の品質が落ちることは仕方のないことなのです。逆に不作の年の糸は高いです。お米の不作と似ています。また、フラックス原料というのは、毎年毎年新しい原料が使用されていることが伝わってきますし、糸商さんというのも在庫として寝かせることをせずに新しいものに置き換えられていることが理解できます。