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リネンや麻を織る日々をつづっています。
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2011年3月
リネン日記:28
2011年03月31日
3月も最後で、午前中は彦根に行きまして年度末の所用を済ませて、家具屋さんでミーティングテーブルを探しました。普通の家具屋さんなのでミーティングテーブルというよりもダイニングテーブルばかりでした。

いろいろあっても色形自分の思い描いているずばりのものを見つけるのは難しく、ましてや、テーブルについている椅子のすわり心地となるとさまざまな感じです。自分用ではないので予算の制約とか耐久性の問題などいろいろと迷うことが多いのです。

会社に戻って、今日は暖かな一日で、リネンのストールを作るのを眺めていました。加工から上がってきたストールはふんわりとしていて優雅です。加工から上がった反物は、マットな感じの色をしているのですが、林与マジックでリネンに光沢を与えてあげます。数時間のちょっとしたことなのですが良い感じに落ち着きました。

今日はネットのご注文もいろいろといただきまして、品切れのものが増えてまいりました。昨年までは、生成やオフ白のものが主体に動いておりましたが、だんだんとカラフルなリネンが注目をいただけるようになってまいりました。

林与は、5月11日と12日にテピアで行われますプレミアムテキスタイルジャパンに出展させていただくことになりました。今までのジャパンクリエーションとは異なり、2日間という限られた時間で、かつ、バイヤーの方限定での展示商談会になります。4月は、2012年の春夏に向けて、新作つくりに励んでみようかと思います。
2011年03月30日
今日は、朝から京都の方とお取引がありました。世の中というのはご縁で動いている部分も多いものだというのを感じます。会社に帰ってから、近くの縫製工場に試作しましたリネンのストリップドレスを取りにいきまして、社長さんと話しておりました。

その中で、滋賀県には高齢化が進んで空き家がたくさんあるので、それを被災者の方に開放すればよいのではないかという案がございました。それって、良案だと思います。家をなくされただけでなく、津波の恐怖や放射能の恐怖から逃れるためには、一定の期間、疎開のような感じで、別の地域で仕事も見つけ定住をされることが心のケアにもなると思うのです。

高齢化が進んだ地域での空き家を活用しようという計画が滋賀県では動いているので、それをぜひ、被災地の皆さんに提供するような方向で動かれればよいのではないかと思います。ファンシーなことよりも、現実的な人々のためになることを実行できるチャンスです。

市町村行政が本気でそういう人たちを受け入れることができるかどうかがポイントとなってはくると思いますが、地震で家も仕事も失って困っている人たちに本当の意味での救いの手になるのではないかと思います。
2011年03月29日
午前中に、議事録つくりなどをしました。その後、加工工場には織りあがったジャガードの反物を投入しました。加工工場からは、加工時の濃色での色落ちの問題の指摘がありましたので、その原因と根本的な解決方法を考えています。また、シルクリネンの生地で、横糸のラミー糸のスレン染料で染めた色が抜けるという問題が起こり、これも共通した問題ですので染色工場と取り組まねばなりません。

そういう色を避けて通れば大丈夫な問題なのですが、デザインの自由度と品質の安定性という面ではどうしても解決しておかないといけないといえます。最近のリネンというのは、特に濃い色において、中が染まりにくいという問題があります。麻の染を得意としておられる染色工場2社でカセ染めしていますがこれは同様の問題として認識しています。

リネンの糸というのはカセで染めると糸が、緩んだときに糸の撚りが少し緩むので、濃い色の糸の束にスターダストのような白いものが見えるのです。織ってしまうと糸が真っ直ぐに引っ張れているので、その白いのは認識できないのですが、リネン糸の染めを極められた方はやはりその問題を何十年も昔から認識されていて対応をされていました。

また、リネンの染めに関しましては、ペンキを塗ったように糸の表面だけが染まっているような染もあったりします。麻糸を染めるノウハウというのは染色工場によってまちまちだなあと思います。日本の染というのは検査基準が厳しいので世界でもトップクラスだとは思うのですが、それでも、染めの技術水準というのは一様ではないように思うことが多いのです。コストや設備などの要素が絡んできますので、最終どういうものを作るのかによって染めの品質も変わってくると思います。
2011年03月28日
今日は、午前中組合の資料などを集めて、午後に会社に戻りました。問屋さん向けで、出荷の色を間違えたということで代わりの色をお送りする手配をいたしました。リネンストールも加工から上がってきており、触るとふんわりで良い感じです。

キッチンタオルなどの段取りに追われており、蜂の巣のリネン100%のキッチンタオル生地を何度か洗ってみてよい感じ。ミニタオル、キッチンクロス、バスタオル、ストールとして販売するため、サンプル縫製をいたしました。色物もいろいろと作り始めています。
2011年03月27日
今日は、午前中、リネンデニムを準備と、夕方の字の評議員の引継ぎに向けて資料作成を行っていました。昨日の夜は、隣のお家で、2区の役の引継ぎでした。年度替りというのはいろいろと大変です。

日曜日だったので、今日は工場はお休みで、一人の社員の誕生日だったので、近くのスタミナ太郎というレストランで食べ放題の昼ごはんを食べました。女の子たちは、アイスクリームからのスタートで、その後は、肉、肉、肉な感じで、おなかいっぱいでした。みんな元気におなかいっぱいが幸せです。

そのあと、スタミナ太郎の横に、タマホームがありますので、なぜか、モデルハウスをみんなで見学しました。2300万円のお家でしたが非常に広々としていて素敵でした。女の子たちは、こんな家に住みたいと感激していました。その後、みんなでボーリング、ボーリングを初めてした子もいました。初めての子たちでも、ストライクがいくつかあって盛り上がりました。ボーリンクから帰って、一つ出荷を行いました。

夜には、青少年育成会の引継ぎがありまして、私は会計でしたので会計報告ならびに会計の引継ぎを行わせていただきました。食べ放題でたくさん食べたのに、また、ご馳走でおなかいっぱいの一日でした。
2011年03月26日
土曜日というのは、電話が少ないので落ち着きます。ですが、最近は土曜日も仕事をしておられる会社が増えてきたのではないかと感じることも多いのです。今日も、土曜日なのに7件ほどの先から問い合わせの電話がありました。そのほかにも、土曜日にも関わらず、リネンの糸が8ケース250kほど届きました。週が明けることなく届いたのがうれしいです。

テキスタイルの現場では、数メートルで動かすことが多くなってきている時代になってしまっています。そのような時代に昔の職人さんが対応できるかというと、難しいのが現実です。林与自身も昔のまったりとした織物の世界を残せるように職人さんたちに働いてもらえるよう努力はするのですが、競争社会で職人さんたちが生き残っていくことの厳しさを感じます。

これは、リネンの紡績においても同じことがいえるかと思います。何万錘ものスピンドルをまわさないといけない現場に職人さんは不要なのです。壊れると調整するよりもメーカーの人が部品を取り替えることで解決します。織物の世界においても、織機を調整するという職人的な作業は不要になりつつあるのかもしれません。

このように糸作りがなってしまうと、細番手の糸を作ることができなくなるのもよく分かります。自由度が大きな機械というのは、万能ではあっても、調子の良い状態にすべてを調整するのが難しく、職人が機械を助けなければなりません。生産性の高い素人の人でも使える最新式の機械が出来上がるごとに技術は消えて行くのです。

夜には、年度末ということで、字の引継ぎ会がありました。この一年は、評議員という役をいただいて、青少年育成に関わる一年いろいろな行事に参加させていただきました。
2011年03月25日
昨日は出荷ができませんでしたので、今日はまとめていろいろな出荷を行いました。先週に織りあがったブラックリネンデニムも加工に入り、ナチュラルな仕上げでの上がりを想定しています。

先日も東京に行ったときに、リネンは重いという言葉がデザイナーさんから出ました。それを聞いて、「あっ、良くご存知の方だなあ」と感じたのです。林与は、つねづね、リネンの生地を企画しているので、色柄や風合いだけでなく、目付や物性、コストなど各方面から考えるのです。リネンや麻というのは、薄くても重くてしっかりしているものなので、それをどう表現するかが難しいのです。

双糸などにして組織を入れて凝りすぎると、目付けが重くなりすぎて、若い人にしか着てもらえないものになり、高級なイメージを生み出すことが出来ないのです。年配の方に来ていて軽くて楽なのよ、といってもらえるくらいのものが、エレガントなゾーンではないかと思います。

糸というのは作るのは長さをベースにします。細い糸は同じ重さでも作るのに時間が掛かるので通常は長さに応じて値段が高くなるのです。100番手を超える辺りからは10番上がると2倍な感じで値段が上がるのがリネン糸の不思議です。番手が細いからといって、糸が必ずしも良いとは限りません。原料を上げながら紡績の限界に挑戦するので、細くなった分、織りにくい糸となるのです。

林与では、特殊なものを除いて細番手も糊付けで対応しますが、一般の機屋さんが70番手以上の細番手のリネンを織るときには水溶性ビニロンを巻かれて織られるケースが多いようです。織って加工を仕上げると、ほとんど区別はつきませんので、その辺りは、技術なのか、こだわりなのか、コストなのか、あるいは、ナチュラル志向なのかのチョイスだと考えます。

夜は彦根の縫製の会社で理事会がありました。
2011年03月24日
滋賀県に朝、車で戻りました。途中、サービスエリアで休憩を取りながらで、弱っている感じですが朝から仕事です。彦根の縫製工場に伺い書類をいただき、午後一番に司法書士の先生が見えられ、夕方には、京都のモンドさんの濱中社長がお見えくださいました。

モンドさんのお名前は、以前から、ジャパンクリエーションなどで存じ上げていたのですが、先日yourwearの佐藤さんからのご紹介で、リネンの特殊糸を作っていただけることになりました。今日、持ってきていただいてマーブルな感じで面白い。サンプルとして作っていただいた分を早速試し織りしてみようかと動き始めました。

リネン100%で糸を開発するというのがなかなか難しいなあと感じているときに、これは面白いかなあの感じです。今後もいろいろとリネン関連にアンテナを伸ばしてくださるそうでいろいろな情報もいただけそうです。

モンドさんというのは京都の二条城の近くにあるそうで、弊社と親しくさせていただいております麻小路さんのご近所だそうです。また、京都へもお花見にでも行きたいものですね。京都の桜といえば、やはり「銀閣寺哲学の道」かな?今年は、まだまだ寒いので、4月中ごろがお花見の盛りになりそうですね。
2011年03月23日
朝は、朝食をレストランのビュフェで軽くとりました。レストランでも地震の影響で食材の調達が難しく、営業時間を短くしている旨の注意書きがありました。国際展示会場の近くなのにイベントも自粛が続いているのでしょうか人通りがかなり少ないです。

午前中は一軒立ち寄りまして、午後からカフーツさんにお邪魔しました。デザイナーの皆さんとお話しながら、いろいろなヨーロッパのアンティークリネンを見せていただき、ものづくりの参考になりました。そのあと、リゼッタさんのお店の中で、興味を引いたのが昔の本で、中を見せていただくことができ、偶然、長年謎だった答えに近づけた気がしました。そして、カウンターのあたりが重厚でいい感じだなあと思ってお尋ねするとヨーロッパから持ってこられたアンティーク。練習帳にしても大事にそれを記録した人がいて、カウンターも長年愛され使われ続けてきた物で、それが大事にされてきたというところに良さを感じます。

帰りがけ寒いなあと思っていたら、東名高速道路で強烈な雪に見舞われました。春分も過ぎ、3月も終わりなのに普通じゃないなあと思いながらも、計画通りに行かないこれが自然なのかもしれないなあと思います。
2011年03月22日
今日は、出版社で上島先生とのインタビューが午前中からありました。先生がコレクションされましたドイツ、フランス、イギリス、スウェーデンのアンティークリネンを見せていただきまして不思議不思議の連続です。ホームスパンの手で紡がれた糸を手織りした感じのリネンがありまして非常にソフトだったのが印象です。私の頭の中ではそのリネン生地の光沢感のある加工方法が謎でぐるぐるとめぐってしまいました。非常に良い風合いなのですが、なかなか今のリネンのものにはその加工方法をしたものがないのです。糸をほどいて見せていただいても、今のものとは違います。

インタビューの終わった後、皆さんと一緒させていただきました。夕方には、日本橋三越前の島根館で作品の展示ならびに販売をされておられます加藤さんにお会いしました。島根の隠岐の島という人口3500人の島で焼き物の釜を守っておられます。今は、その焼き物を作るのと同じ土で泥染と呼ばれる技法でリネン、綿、シルクなどの素材を染めて、かばん、ストール、洋服などを染めて販売を手がけておられます。お電話で何度かお話はさせていただき初めてお会いさせていただきました。百聞は一見にしかずで、今まで電話でご説明いただいていた作品のイメージというものが実際に作品を拝見させていただいたことでこのことなんだなあと実感できました。

その後も上島先生にお付き合いいただきまして。小雨のなか青山のお店を探してうろうろ、目的のお店には残念ながらたどり着けなかったのですが、別のリネン雑貨のショップを見つけましてそのお店に立ち寄りました。イタリアからのインポートリネンをはじめ、国内でのオリジナルのアイテム作りなどをされており、リネンなどは良いものがたくさんあるお店でした。スパイラルホールのカフェで、コーヒーをいただきながらリネンのお話をした後、先生とはお別れさせていただきました。

夜は、この春、大学を卒業されます方とお会いしましてお話を伺いながら、学生のうちにおつくりになられました作品をまとめた本を見せていただきました。作品一つ一つに思い入れがあるのが伝わってきまして、また、その本というもの1冊だけの手作りで手にしているだけで感動ものです。クリエーティブなものを追い求めるだけでなく、職人的な単純な繰り返しの作業すらも乗り越えることができるタイプの方なのではと感じました。

クリエーティブなものを生み出したり一つつくることができても、それと同じものを商品として必要なだけ必要なときに作るためには、頭の世界とは違う、現実的な問題に直面し、人の確保、材料などのものの確保、そしてそれを準備し流していけるだけのお金の確保という要素が最低限必要だったりするのです。そこが日本のものづくりで難しくなってきているところだというのを私自身もお話しながら再認識しました。

また、その3つの必要な要素の中でも、一番確保が難しいのが人という要素ではないかと思うところで、単に人の頭数の問題ではなくモーティベーションの高い人をどう集めるか、あるいは育てていくかということが、手間の掛かるような作業であればあるほど生産性を大きく左右するかと思います。日本のものと海外のものとの違いや差というのは、技術ではなく人という要素で生まれてくるのではないかと考えることも多いのです。

繊維の業界だけでなく、今日宿泊する有明のビジネスホテル、ツイン駐車場代込みで7000円。これはどうなんでしょう。ここには、非常なまでの経営努力があると思う一方で、それが常識として、「出来ている、やればできる」と考えてしまうのはどうかなあと思うところです。採算を度外視してまでも将来に希望をもって続けようとしておられるのではないかと感じるのが林与のものの見方です。お客の立場でありながらも泊めていただいて感謝の気持ちなのです。
2011年03月21日
明日から東京出発ですので、出機さんに確認に行ったり、染色準備、加工出しなど動きました。糸の染めに関しては、リネンレーヨンの素材を作るために、レーヨンを染めたのですが、そのグレーが演色性(光源によって色が変わる)があって、どの光源で色を合わせるかを染色工場のビーカー担当の方が確認してくださって、染めていただいたのですが、元の糸見本と比べると、太陽光の下では、こっちが赤く見えて、蛍光灯の下では、反対が赤く見えるという、最終アパレルさんで本番の生地が同じ色に見えるのかと判断に迷うところです。ビーカーで色を合わせようとしてもこんな状態ですので同じ色を作るというのは、なかなか大変なのです。

また、レーヨンの糸には、ブライト糸とダル糸があります。光沢のあるのがブライト糸で、光沢の少ないのがダル糸です。同じ色に染めても見た目が異なるのです。今回は、同じ色に近づけたい場合にはブライト糸を使わないといけないだろうということが、ビーカーテストで分かりました。

染屋さんというのはたくさんあるのですが、麻を染めるのは難しいので、麻の染めの得意な染屋さんに頼むのが良いだろうと考えています。麻の場合、表面だけが染まって中まで染まらないことも多いのです。その場合には、染めた糸がスカッと染まらずにややパステル調に見えるのです。


東京へは車で向かいますので体を休めて、出発前に車のガソリンを満タンにして、ゆとりをもって出発したいものだと思います。
2011年03月20日
地震のことで頭が一杯で、いつもの年なら桜の開花のシーズンに入りかけているのに、桜のことも頭にあまり浮かばず、また、まだまだ肌寒く、例年よりも桜の開花は遅れているのではないでしょうか。

神戸でもプルミエールビジョンジャパンの企画が中止になるという話が飛び込んできました。どこもが急の中止で仕方のないことだと思います。
2011年03月19日
ハニカムと呼ばれる織組織は、蜂の巣組織と呼ばれます。一般にワッフル組織と呼ばれるものは四角なのですが、織物の世界ではどちらも同じような意味で使われます。ハニカムはハニーコーム(honeycomb)から来ていますので、蜂蜜の櫛という意味で、蜂蜜は分かるのですが、なんで櫛なのかが林与にとっては謎です。

キッチンクロス向けに蜂の巣組織を使おうかと今、テストを行っています。蜂の巣の組織にしたから良い感じというのではなく、縦横の密度や、蜂の巣組織もいろいろと大きさがありますので、どのくらいの大きさに調整が必要なのか考えているところです。

バスタオルなんかにする場合は、双糸にしたほうが撚りも戻ってボリューム感が出るので、良い感じになるのですが、キッチンクロスだけに、あまりボリュームは必要ないと考えています。

ひとまず、テストで、糸の感じは掴めました。やはり、糸のアップアンドダウンの少ない糸は緩みが生じてきていますので、織りには工夫が必要だなあと思います。だいたいが、この緩みを吸収するために縦糸に綿の双糸を使うことが多いのです。でも、リネン100%で作りたいなあと思うので、織で一工夫してみようと思います。
2011年03月18日
3月中ごろを予定しておりました、予約販売分のリネン40番手ソフト仕上げの加工上がりが遅れております。大変申し訳ございません。加工上がり次第に、発送に取り掛かります。

今日は、午前中、彦根の会社にお邪魔しまして組合関連の会議が夕方までございました。夕方、会社に戻ると地元の金融機関の方がお見えになられ、林与のほうがバタバタ続きで長い間ご無沙汰しておりましたので、リネンの季節も到来ということで今シーズンの弊社の取り組みなどをお話しました。

昨日には、リネンの後染めの素材が上がってまいりました。もともとP下素材であったものに色を付けて加工しました。一つの加工はソフト仕上げで、もう一つの加工はナチュラルっぽい仕上げになるのかなあと思っていたのですが、仕上がってみるとどちらも似たような感じに上がってしまっています。

ワッシャー加工が出来ないということで後染め素材にもいろいろな制約があるようです。一つストールの生地があってそれももうすぐ染まり上がり、生成のものとあわせて加工投入です。リネン100番手を超えるストールというのは、軽くてふんわりとした世界で非常に雰囲気の良いものです。

後染めにしようとしたらビーカーを取るだけで数メートルの生地を必要とするので、ストールに関しては結構ビーカー取りの生地の準備というのは2mほど用意しないといけません。本番の染めも、染色工場の社長さんの話では、染色機の中で6時間とか掛かるそうで機械に入っているだけでもほぼ一日掛り仕事です。
2011年03月17日
今日は、仕事とは別件で午前中、京都の伏見の食品会社にお邪魔しました。京都の南区というのは、工業地域で町工場などが住宅街の中にあります。業務用の高品質なレトルト食品などを扱っておられ、海外から材料をしいれられメイドインジャパンの品質を保っておられます。

昔、学生時代に、京都の南区の電子部品工場でアルバイトしたことがあったのですが、有名なメーカーの下請けの現場で、たくさんのアルバイトやパートさんが働いておられます。そういう町工場というのもより広い場所を求めて移動されてしまうのか、大学を卒業して10年ほど経ってからその工場付近に行ったのですが、もう見つけることは出来ませんでした。

午後に会社に戻ってキッチンクロスを織っているのを眺めました。たくさん、たくさん出来ているので、春に向けて楽しみです。夜は、彦根の縫製工場に行きました。その工場の社長のお話を聞いていると、東京のイベントのためのグッズを何万個も作る予定だったそうですが、それが流れてしまって、急にこの3週間ほどの間の仕事がなくなってしまったそうで困っておられました。

2011年03月16日
今日は朝から滋賀県でも雪が舞っています。この寒空、一番に思うことは、被災地で行方不明となっておられる方の安否と、救済されながらも肌身一つで食べ物も十分に食べることのできない被災者の方のことです。

JFWジャパンクリエーション事務局より、お知らせが来ました。今月予定されておりました、東京コレクション・ウィークならびに東京発日本ファッション・ウィークは中止になるとのことです。詳細に関しましては、http://www.jfw.jp/jp/

今月の東京コレクションが中止になるということは、日本の被災地の状況の回復を最優先にするためにも、国を挙げて動く力を、被災地に注ぐべきであろうという関係者の一つの決断だと思い評価いたします。

なにか、服飾、繊維関連のものが立ち上がって、東京コレクションの代わりに被災地を支援できるような企画が練れればよいのではないかと思います。林与自身も自分も負担しながら何か被災地の皆さんのために貢献できることはないかと考えており、実行に移したいと考えております。
2011年03月15日
福島原発では、次々と原子炉が爆発するような状況が続いています。制御することが不可能になってしまった原子炉の怖さを改めで感じるところではあるかと思います。想定はしていたはずのケースではあったとは思うのですが、その一つすらも爆発を食い止めるのが難しいというのは、受け止めなければならない事実だと思います。
2011年03月14日
組合の事務局で引継ぎの作業が始まり、午前中、少し立会いをさせていただきました。キッチンタオルに付けます、引っ掛けタブサイズの「林与」ロゴができました。これも、自分ではかっこいいなあと自己満足です。表は「林与」、裏は「LINEN100% www.hayashiyo.com」です。とりあえず、1000枚ほど作りました。今までも、引っ掛けたタブがあったほうが良いと、いろいろな方からリクエストをいただいたものです。

会社に戻って、電話連絡していると、隣のおじさんが来てくださり、評議委員の引継ぎも4月2日と3日に行うとのお知らせをいただきました。4月というのはいろいろところで新しい顔ぶれでのスタートとなります。

夜は、出荷を数点行いました。まだ、リネン43番手の白が加工から上がってきませんのでお待たせしております。また、東京以北は今日もまだ正常化していないようですので、到着までお時間をいただくことになります。

アメリカにいたときの台湾の友人とカリフォルニア大学UCIの英語プログラムのときの友人、ニューヨークのエミリー社の社長さま、から地震に関する心配のメールが届いていました。テレビで日本の惨事を見られたのだと思います。世界中の支援の手が被災地の皆様に届くことを祈ります。

組合の企業さんも支援物資を被災地に送る動きをされているところがあります。地震の影響を受けずに普通の生活を続けることのできる、林与も自分が出来ることが何なのかを考えて見たいと切に思います。被災地におにぎりなどの食べ物を送りたいのですが、なかなか難しいのを実感します。
2011年03月12日
東京以北の地域は、多大なダメージを受けられているというのがひしひしと伝わってきます。荷物を東京に送ろうとしても、宅配便のベースが機能していないといわれ、数日見てほしいとのこと。現地の方は本当に困られているだろうなあと実感します。

震度5地域の福島原発が爆発したのにも驚きました。なんで、震度5でという思いもあるのですが、電源供給が絶たれてしまって、温度上昇でメルトダウンという思いがけない出来事です。
2011年03月11日
今日は、午前中に彦根の組合で決算のための打ち合わせを会計士の先生を交えまして行いました。午後3時前に地震でした、震度3くらいということですが彦根商工会議所の建物は、感覚的には1分近く長くゆれていました。午後の4時過ぎくらいまで作業をしておりました。

会社に帰る途中で、東京から会社にお電話をいただいただき、携帯電話で掛けなおしたのですが、固定電話も携帯も回線がパンクしてつながらない状態になっていました。東京方面の通信というライフラインというものがキャパを完全にオーバーしてしまっているようですが、私の周辺では普通に仕事や生活が出来ているだけ幸せなので、平常を取り戻していだたくことが大事と思い、こんなときには、数回掛けて駄目なら逆に自分の電話を我慢することも必要かと思います。

海外からも、日本の地震のニュースが世界を駆け巡ったのか、リネンの紡績会社の方が心配して大丈夫だったかメールをいただきました。夜、津波などの被害をみて、やはり大きな地震だったのだなあと実感しています。こういう地震の被害で人がなくなられる痛ましさを感じる時に、人間が戦争などで同様の災害を生み出す空しさを感じます。