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リネンや麻を織る日々をつづっています。
ホームリネン日記2011年7月
2011年7月
リネン日記:29
2011年07月31日
今日は、彦根の琵琶湖湖畔で行われました鳥人間コンテストを見に行きました。私自身、最近はプライベートで行楽ごとに時間を使うということはほとんどないのですが、そこには忘れた何かがあるような気がして見に行きました。34回大会ということで地元でもものめずらしさというより、そういう活動を支援しようとするファンに支えられているイベントという感じです。

テレビ局の主催なので、タレントなどもいたりしますが、観客はタレントに目を奪われることもなく出場されるチームを応援するばかりです。そういうのも今のチープになりがちなテレビの世界と違って健全さを感じました。パイロットが自力で自転車のようなプロペラ機をこいで、1時間半以上に渡って暑さと体力の限界と戦いながら、少しでも前に進もうとする姿は美しすぎました。応援している人の「がんばれ」という言葉が、酷に思えるほどのパイロットの限界を超えたがんばりに、まだ飛行機を飛ばそうとするパイロットの頑張りには、自分との悔いない戦いというのはこういうものなんだと実感します。観客も感謝をするばかりです。

途中、6キロほど飛んだ後で、風に流されて逆方向に向いて飛ぶことになり、2キロ地点までもどっても軌道修正しながら最後19キロ地点まで到達した頑張りには、すごいよとしかいいようがありません。でも、実際、仕事なんかでも逆走をしいられることもあったりします。そしてまた前に進めるために大きな軌道修正をしてロスを取り戻すのです。1回勝負のことで、狭いコックピットの中では思いもよらない展開にプレッシャーばかりだったでしょうが、あきらめずにトータル35km以上を飛び続ける精神力というのは見習うべきなところです。

帰りがけなんとなくですが、自然に触れたい気がして犬上川の川原に下りました。川原では子供たちがたくさん遊んでいます。ジーンズをまくって水の中を歩きながら綺麗な石を探したりするのは、日ごろ時間というものがすぐに経ってしまうのに今日の一日は特別で長く充実していたのは、自分の中に何か求めようとするものがあっても、目標を変えれば自分が無理してがんばらなくても普通に満たされることもあるのだなあと感じます。

それは鳥人間の世界とはまったく逆のものなのでしょうが、がんばる人を眺める側の人生というのを多くの人は求めているのだろうなあと思いました。観客席に座って冷たい飲み物を飲んでいて暑いだけなのに「暑くて死にそう、次はまだなの?」みたいな、自分中心で現場の空気の読めない残酷さ、そうなっては駄目駄目な集団心理。見ただけで何もしない一日なのに精神的に成長した気分でそれってアカデミックチックな通、自分自身の人間的なスケールが大きくなってないと駄目な気がします。明日からはまた狭いコックピットの中、今日の学生のがんばりは私自身にとって良い刺激になりました。人は年を取ると成長をするのではなく、がんばれたこともがんばれなくなるものなのだと自戒の念に駆られます。
2011年07月30日
本格的に一般の皆様向けに布の販売をさせていただいて1年ほどの林与なのですが、非常に暖かい対応でくださることが多く、林与のやることに追われすぎてアバウトな販売方法を申し訳なく思いながら、しっかりとしたものをつくらないとなあと思います。

海外で生産される生地などは、スムーズにものを流していくために糸質を落としてどこまで修正を加えて綺麗にするかというところに重点が置かれます。林与の場合、ほとんど修正を加えずに織ったままとか、加工上がりのまま流してしまうので、糸や染というのが出来上がりに大きく左右されます。後で修正を加えて化かすのが今の主流でそれをしていないことを品質管理がなってないといわれることも多いのですが、全体的な品質面でみれば修正で取り繕う手法というのは薄っぺらいとしか思えません。

製造や企画に携わられる方というのは、どうしても、どうやって安くつくるかをいつも考えておられます。買われる方が気の毒だなあと思うのはその部分です。高く売りたいのだけど安く買いたいという儲けの発想が「三方悪」の世界で、以前、どれだけ安く買ってどれだけ高く売るかが商売人の技術だと信じているといわれた方もありました。

売り手よし、買い手よし、作り手よし、のための近江商人の美徳は、どこまで自分の利益を落として、三方善を作り上げるかだと私は思います。経営の勉強会などに参加してもどうも、先生の言われる三方善が徳に基づくものじゃあない気がするのも不思議な気分です。近江商人道を説くような経営セミナーなんかがありますが、どうも、新興国で謳われるようなWIN-WINなところに終わることも多く、マーケティング手法としては、コンビニや百円ショップこそが最高の形であるという哲学になります。それはそれで一つの商売の王道です。

先日、さる方とお話したときに、なぜものづくりが難しいのかを話すとものづくりしている人というのは、しわ寄せを覚悟してやっている部分だということです。ものづくり以外の部分においては、ババ抜きのババの引かせあいみたいのが今の日本の経済のいびつなところです。日本のモラル崩壊の原点ではないでしょうか。しわ寄せを他の人に押し付けて、大手の企業が兆単位の利益を上げてそれをすごいと賞賛している価値観が侘しく思います。利益を独り占めする独りよがりな経営と三方善とは相反するもので、利益を上げていれば三方善の結果だと無理やり結びつけるのは独善的過ぎるのです。

夢のあるようなものづくりを続けるためには、その夢を支えていくような環境が必要で、それを企業が用意しようとしても、政策というものは無機質でそれに反することも多く、そういうところから直していかないと夢のあるものづくりも難しいなあと切実に思います。
2011年07月29日
お昼ころ彦根のボックスギャラリーに行きました。お店の方が声を掛けてくださって今月分の売り上げがあったということで彦根市役所にある日本赤十字さんに売り上げのほうを東日本大震災の被災者の方に届けてくださるよう募金に参りました。(お買い上げくださったお客様ありがとうございます。)

午後からは、加工工場からあがってきた反物などを出荷準備して、夜には、リネンキッチンクロスの撮影を行いました。楽しいかなあと思って作った、ヨーロピアントリコシリーズですが、色が華やかなので小さなリネンクロスながらも楽しんでいただけるのではないでしょうか。

シャンブレーガーゼ素材や新作のリネン25番手の平のナチュラル仕上げもボトムやカバンなんかにお使いいただくのに良い感じです。無地のカラーキッチンクロスのシリーズも色華やかです。順番に写真をアップしてまいりますのでご覧くださいませ。

また、今日は、刺繍用に作った糸も出来上がってきました。うまく出来上がるか心配して織ったのですが良い感じです。1年ほど昔に刺繍用に開発した生機生地も販売をしていきたいと考えております。同時にご依頼のあったリネン糸の生成の双糸も出来上がってまいりました。いろいろと布づくりはしているのですがバタバタで、遅れ遅れの発表です。
2011年07月28日
今日も曇り空、心配されているような猛暑にならずに普通くらいの暑さでここ数日過ごせています。昔はそれほど言われなかった熱中症も、今は、頻繁に起こるようになりました。日ごろから冷房の中で過ごすようになり、無理ができなくなった部分が大きいのではないでしょうか。

今日は、この3週間あまり掛けてテストしていたリネン生地を確認しました。テストで期待した成果はあえなく失敗でしたが、別の成果が見られました。時間を掛けて、いろいろと試してみると普通とは違う世界が見えてきたりでなぜなぜが広がります。

夕方、縫製関係のお話をお客様といたしました。完璧な縫製を求めても今の時代、日本の縫製も競争と生産性の中で、昔ほどの高い品質は縫製に関しても維持できなくなっているのが現実だというところだと思います。流通や販売業者の方で、高くなっても品質が大事だといわれる方というのはあまりありませんので、お金を出す側が妥協のない高い技術を求められている日本でも珍しいケースで厳しい世界ではありますが、そういう本質を貫いていただきたいなあと思います。
2011年07月27日
今日は午前中、立命館大学の草津キャンパスに初めてお邪魔しました。もともと、立命館大学というのは京都の衣笠と呼ばれる金閣寺に近い場所にあるのですが、衣笠キャンパスも場所が手狭になったということで、滋賀県の草津エリアに進出です。草津の丘陵地帯周辺には県外の大学がたくさん集まっており学研都市を形成しています。

大学の中に入ると新しいキャンパスらしく非常に綺麗です。学生が勉強している姿が目に入り皆さん静か目な感じがしました。今日は大学の先生とのお約束で滋賀県をプロモートするような構想を考えられているとのことで、何かご協力させていただけることも生まれてくるかもしれません。

午後からは東京からのお客様で来期の企画をということでお越しくださいました。新商品の開発などもどうしても費用が大きく掛かってきます。林与の着物の技術をベースとした産地志向の贅沢な世界でベストベストの組み合わせだと、材料だけで簡単に想定価格の何倍の世界ですので限界を常に感じるものです。

林与が一般的に高いといわれる今の時代のカシミヤですらリネンや本麻と比べ実質重量が軽いこともあり、また、比較的簡単に手に入るので手ごろに感じるのは違和感を感じられるかもしれませんが、リネンをよくご存知の皆さんや昔の日本の麻の世界をご存知の方ならその意味はお分かりかと思うところです。

1着分の生地がとことんの価値があっても良いというの日本の伝統産業が持つ究極の世界なのかもしれません。プルミエールビジョンでも、世界の10種類の布に日本の伝統の布が3種類ピックアップされ展示されるそうです。日本の織物の伝統の技術が世界でどれほど伝統を持ち期待されているかというところだと思います。

着物の布がアパレルに使えるかというと使うのは難しいのです。それでも、世界の人々に大きな共感を与えるだけの重みがそこに存在し、布に掛ける意気込みのようなものを世界に情報発信するに十分足りるのです。効率化とか、技術革新とかいうチープな世界ではない、ものづくりする人間が本質を求めるところ、それが世界の舞台で評価されるのだと思います。
2011年07月26日
昨日、加工工場さんにいきまして、小幅の本麻の織物の仕上げの調整に立ち会いました。本格的な小幅の織物は、耳が命といっても過言ではありませんので、仕上がりの幅の問題も含めて、どのくらいのシボの高さにするかなど仕上げてくださる職人さんたちも厳しい要求に応えようと動いてくださっております。

小幅の織物が値段が高くつくのは糸の量が少なくて済むだけで、織るのも加工も幅の広い織物と同じだけの工程を経るのです。しかも、生地にサイズが存在し、耳まで綺麗に織る努力が必要となってくるのです。要求される完成度というのは何倍も違うという気がします。皆さんご存じない方も多いかもしれませんが、小幅の織物というのは今は海外で生産されることが多いのです。コスト面で非常に高くつきますので…。

日本の着物用の生地というのが海外でつくられるというのは、なんだか、日本的な価値があるものをと思って買われる方にとっては、残念なお話だと思いますが、林与も小幅織物を本場近江で生産していても本場物というのは価格の高さが伴いますので、そうたくさん流れるものではなく継続することすら難しいものであると思います。

本来は、小幅の着物用の生地というのは、手織り用の糸というのがありまして、アパレル向けの糸とは糸からして違ったのです。今は、林与でも、糸をアパレル向けの糸と併用しておりますので、昔のものほどの価値というのは詰め込めてないかもしれません。元の糸が何十年も昔で1kg数万円はするというのが本麻の織物の世界で、織り上げられた近江上布などは当時でも何十万円というのが正しい価値なんだと思います。

昨日はコラボの方とお昼時間に渡ってお話をさせていただいていて、近江湖東の産地のある機屋さんのお話をお聞きすることができました。残念ながらもそこは1年前に廃業をされたのですが、林与とは違う和装を中心とした麻織物なのですが、実際にご家族で織機を動かし織り続けられておられたと言うのをお聞きすると一家で非常に特色のある濃い世界を守り続けておられたのだなあと実感いたします。

麻織物に関しては、本場の近江産の織物に特別の価値を感じておられる業者さんというのが、特に京都、大阪に多いとは思うのですが、今もあるものだと強く感じるところです。いろいろとお話を聞かせていただいて林与の知らない近江湖東産地の麻織物の歴史を知ることも多いのです。いずれにせよ、本場のものというのは他産地のものに置き換えられ、消え行く方向性にあります。

ブランドの正規品であっても、素材や産地が偽装という本物ブランドが偽物みたいな問題も多く起こっては来ており、それを取り扱われる百貨店の皆さまも、展示会でお会いしてお話しするに素材に関しての正しい知識を求めようと必死になっておられるのを感じます。

大手さんのSPAリネンに関しても、フランスあるいはベルギー産などと適切な表記がなされるにいたったのも、それは難しいだろうという当たり前の業界の認識が、ようやく広まった結果だと思います。リネンの業界の動きをみていると消費者を騙さない適正な表記というのが必要だと感じます。

今は、アパレルさまでも、ハンドメイドの方でも認識のある一番初歩のリネンとラミーの違いからお話をする時代ですので、そういうアパレルさまが、原産地などの厳密なお話にまでしっかりと対応されるのは難しく、アイリッシュリネン100%使用をつい最近まで謳っておられたある大手のブランドさんにしても北アイルランドでのリネン紡績がとっくの昔に終わってしまっていることをご存じなかったというお粗末なお話でした。ブランドや百貨店の方ですらもが誤った説明に飛びつかれて、うたい文句にしてしまう時代で、一般の方のほうが知識が豊富なのを展示会などを通じても感じます。
2011年07月25日
今日は、午前中、大津のコラボしがに書類提出に伺いました。先週もすべてに追われていて時代のギャップを感じるしかならないことが多いのです。時間がない流れの中で、いろいろな依頼があるのですが、非常に時間に余裕のある人のための余暇を楽しまれるために準備に動かないといけないことが行事に組み込まれていたりと、できる力というものは限られているので、一つが成り立っても、もう一方が成り立っていないという結果が多いと思います。

帰りがけ、雨が非常に激しく降りました。まさにスコールです。日本も砂漠化しているのかなあと、なんとか、加工工場にたどり着いても、雨の勢いは収まらず、加工工場の社長さんが雨を眺めておられます。私自身は、これが自然だと思うのです。自然の偉大さに挑もうとしても最後は予期せぬことが起こり、国や行政が災いを推進するような歴史もあったりで、それはもう素人的な汚点として国民のためにしっかりと反省してもらうしかないのですが、いつおm繰り返されるのがその部分です。

環境問題で原子力発電を推進したのは、営利的な部分が大きすぎ、しかも、弱者を利用する偽善に満ちていたたということを肝に銘じて、エコ学者たちはエセ学者にならないように考えていただきたいものです。今も、太陽光発電が推進されていますが、お金を動かすことに必死になっておられる方ばかりで、最近主流と成りつつあるカドミウムを使用した太陽光発電の問題は堂解決するのかです。災害時に火災が起きてカドミウムが漏れ出すとイタイイタイ病の繰り返しです。

競争にさらされると常に公害の危険をはらんでいます。小学校3年生のときに、保健室の壁に原子力発電の政府広報が張られていたのも子供だましだなあという違和感を感じずにいられなかったのですが、30年たっても同じことをやって今の惨事、せめて準備くらいして広報もしていただきたいものです。

今は、日本のメディアもお金に流れすぎて信頼性は低いので、お金の絡まない本質を流すメディアが必要だと思います。私がテレビを見ないのもそういう部分が含まれて居ます。原子力発電が地球環境に良いとモラルに立ったここ10年ほどは、モラル崩壊そのものです。すべてが肯定できるモラルに近いのです。
2011年07月23日
s今日は、朝から隣組の旅行で、名古屋港周辺のリニア鉄道館、水族館に20人ほどの団体でバスに乗って行き、夜には懇親会がありました。リニア鉄道館は、鉄道マニアの方にとっては非常に楽しい場所ではないかと思いました。たぶんJR東海の方が作られたのだと思うのですが、少しマニアックで、子供たちにとっては少し難しいかなあと思いました。

水族館では、イルカのショーが人々の人気を集めていました。自由に泳いでいるだけの9匹のうちの4匹のイルカたちが、トレーナーの指示があると人が変わったかのように、特別のパフォーマンスを人間の指示通りにするのがすごく不思議でした。イルカには犬と同様に学習能力があるというのは本当のようです。犬がお手やお替りをする以上のパフォーマンスができるだけでなく、オリンピックのシンクロナイズドスイミング以上のことをイルカたちができるのです。

ショーを仕込まれるイルカたちというのも人間の作り出した世界そのものなんだろうと思います。また一方で、イルカに芸を仕込んでいるトレーナーたちもイルカと同じように、芸を仕込まれている対象なのかもしれません。ショーの途中では、イルカは御褒美に魚をもらうので、これって人間社会の縮図なのかなあと思ったりもします。魚目当てにいろいろなパフォーマンスをするイルカたちなのですが、これと同じ手法が今の時代にはさまざまなところで人間に対して使われています。

働く人も使う人もそれに満足してしまうと、人間も動物も同じなのかという問題に突き当たります。お金がもらえるなら動く、お金がもらえないなら動かないという他人に依存した形ですと機械にどんどんと代用されてしまい、働くということでは人間の存在が不要になっていくかと思います。街にあふれる自動販売機ほど優秀な販売能力のある人間がどこにいるのかというと…。自動販売機こそが販売に関しての機械化の一般的な究極な形ではあると思います。

いずれにせよ、来場している多くの子供たちには大きな感動を与えるショーであったと思います。人間以外の動物が人間の子供以上に人の言うことをしっかりと聞いて実行できるのを見ると、子供たちも人間が特別ではないことに気がつくに違いありません。
2011年07月22日
朝、一番ののぞみで東京から滋賀県に帰ってきました。会社に戻ると社員たちが、猫の子供が居る話をしていました。台風のときに、1匹猫が外においていある捨てる糸の箱のところに逃げ場を探してうろうろとしていたので困ったなあと思っていました。

半分空いた糸の箱の中に、生まれて1週間くらいでしょうか、手のひらに乗るくらいの子猫が5匹箱の中に運び込まれていたようです。毛は生えそろっていますが目もまだ完全に見えてはいないようです。この箱の中でうまれたのではなく、親猫が台風から難を避けるために箱の中にくわまえてもってきたようで、箱から出して別の小さな箱にいれておいておくと親がつれて帰るようで私が説明をうけたときには白い2匹だけになっていました。

かわいいかわいい子猫なのですが、親猫が一番大切にしているものなので親猫がしっかりと育ててくれることを望みます。夕方には、すべていなくなっていたのでさびしい気もしますが良かったです。記念に写真だけ撮っておきました。

林与の家でも、私の生まれる前には、一度、猫を飼っていたようです。普通の家がねずみを退治するために猫を飼っていたのと同じだと思います。私が子供のころからは犬をもらって飼っていました。今までずーっと雑種で、生まれたけど貰い手がないとおっしゃってるのをもらってくるケースです。今日の子猫たちも5匹もいると字の中で人間と共存して生きていけるのかは心配ではあります。
2011年07月21日
今日は朝一番ののぞみで東京に向かいました。大手のアパレルさまの展示会にご招待いただきましてのご訪問です。会場は朝一番ながらも人がたくさんで活況がありました。今回もテーマをお持ちで、そのテーマに沿ってのデザインが随所にみられました。

デザインテーマの原型となったのは日本ではほとんどしられていないある地域の昔の文化なのですが、それがそのままというのではなく、ブランドのデザイナーさんの手で、かわいらしくデフォルメされて、原型とは違って、日本のヤングファッションに受け入れられやすい感じです。余った布なども小物などにご活用されておられるということで、もったいない精神が普通に生きているような気がします。柄の取り方によっては同じものが作れないがそれが面白くていいとおっしゃっておられました。

今の時代というのは出来上がりの生地を使うことが増えていますので、一からの企画をしっかりと行われるのは難しいのですが、随所にテーマに即して新しい顔のものを作り出しておられますので力を感じます。

林与の素材も一番最後のセクションでいくつかのアイテムを作っていただいておりました。製品になって何に使われるのかなあと思っていたのですが、綺麗な色の先染の生地をパンツや帽子にしていただいておりました。布で見て色柄が綺麗な感じでしたので素敵に仕上がっていました。林与も作っているときに機の上で色の綺麗さやメリハリが出るように色の微調整を掛け、展示会場でも来場者の方がすごく綺麗といっておられるのを耳に挟んで、うれしかったです。
2011年07月20日
今日は、地元の旅行があり幹事があたっており、昼間、その買出しに近所の方とお菓子やスーパーなどに伺いました。近所の20人程度の家族旅行なのですが高齢化が進みすぎて子供さんは少ないのです。鉄道博物館と水族館に向かいます。

台風の影響で、国道が大渋滞をしており、会社に戻ったのは夕方で、明日は、東京に行きますので、留守にする会社の中のことを準備しておくことが多く、夜中まで掛かりました。台風の影響が心配で、今回は、車でなく新幹線での東京です。
2011年07月19日
今日は、午後に彦根ホテルで会合があって環境問題に関する学習会があわせて行われました。その後の懇親会の場で、何十年前の世界や日本のイメージは昔というのは公害問題が今よりもひどく人類が滅亡するような危険を秘めていて、今というのはより秩序だったサステイナビリティが保たれている社会だというようなお話を聞きました。

私自身の昔のイメージは、逆だったりして、今もその人類は進化しすぎて終わりに近づこうとしている気がします。昔のほうが家で取れたものを食べたり、質素な生活をもちろんしていたので地球には優しい生活形態だったと思うのです。変えすぎないことこそが一つの人類の長寿の方法ではないかと思います。何か環境問題が起こると新しい技術で対応しようとしますが、その技術こそがさらに問題を秘めているのです。

長年に渡って人類が使い続けている薬品や物質というものは非常に安全であろうかと思います。特に高いからという理由で、他の安いものに代用されて消えていくものというのは、昔のもののほうがより安全だろうと思います。

今も太陽光発電などが盛んに取り入れられようとしていますが、テルル化カドミウムを使った方式のほうが安価であると大量に量産されて何十年かあとに大丈夫なのでしょうか?今を乗り切るために、アスベストのように家を取り壊すこともできずに困る事態になりかねません。

リスクは今もすでにつぶやかれていますが、人体に対する被害問題が深刻化しない限りは新しい技術というのは人の生命とトレードオフの関係で生まれてくるのだといえます。40年前に危ないといわれていた原子力発電が、つい最近は、地球環境に優しくといううたい文句で世界を挙げて推奨されていたことを考えると、これも人類の持つ典型的かつ必然的かつ不可避な流れの一つと捉えるべきなのかも知れません。

今は本物のジュースなどが昔よりも安く手に入るなど、昔よりも幸せになっている部分は多いと思いますが、そういうのにありがたみがなくなって、品質などにもあまり区別がなくなってきているのかもしれません。
2011年07月17日
今日は連休の中日ということで、日ごろできていない書類関係を整理しました。産地の織物関係の染色工場さんも加工工場さんも連休というのはお休みですので連休前に届けていただいたものなどを次の段取に進めます。

連休といっても今のようにコンビニが365日24時間動く時代では、実際に連休に仕事をしている人も多く、逆にサービス業関連では仕事のタイミングです。サービス業の比重が増えていてサービス業関係の方こそ連休を作ることに動かれているので、実際には連休はサービス業の人たちが働らくために作られている要素も大きいかと思います。

先日、豊郷の旧校舎に訪れたときに、正面玄関の脇の3階の音楽室まで上る階段の手すりに、ウサギとカメがいるのです。スタート時点は、ウサギとカメがいます。途中、カメ、寝ているウサギ、カメ、寝ているウサギ、の順で、ゴールにはカメがいます。階段の手すりにブロンズのカメとウサギが居ては機能的ではないのですが、昔の人は日本人らしいセンスを大事にしていたのだなあと思います。
2011年07月16日
今朝はお祖母さん筋の親戚の方のご不幸がありまして、いろいろと家のものもお手伝いに走っておりました。今宵は、愛知川の河川敷で祇園納涼祭の花火大会があるということで、7時前に愛知川の川原に向かいました。

今年の花火大会は、お天気もよく、花火にはもってこいで、フィナーレは空一面が滝のように黄色く染まる荘厳なもので大盛況のうちに終わったのですが、この花火も130回目を迎えるということで、考えるところがありました。

花火を一番楽しみにしている人というのは、観客席におられる方ではなくてそれを支えておられる方たちだと思います。何ヶ月も前から計画をして時間を使うだけでなく、自らも協賛金などお金を出して花火を応援されて、当日も花火をゆっくりと見る時間もなく、駐車場の整理や人々の誘導に徹しておられるのです。花火の日に30代、40代のくらいの皆さんが家族と一緒に花火を見ることすらも何年も放棄されて支えておられるのです。

このように小さな愛知川の町で130年も花火大会が続いているのは、そういった影の地元の住民の方と商店街などの中小企業を中心とした経営者の方の愛知川の伝統である花火大会を残していこうとされる大きな力だと思います。良くありがちな無味乾燥な行事を超えた大きな力を感じます。

花火大会なども費用の問題などでどんどんと消えていく傾向がありますが、そういった問題ではないところで支えられている花火というのは残っていくものだと思うのです。花火を見ていても、花火の美しさよりも交通整理をされている方の美しさのほうが心には伝わり、花火に浮かれている幸せを感じるのです。本当にたくさんの観客で駐車場も足りないくらいに埋まって大成功だったこと一番喜ばれているのも、交通整理されている皆さんではないでしょうか。
2011年07月15日
今日は、午前中加工工場に生地の投入をして午後からは彦根市役所で会合がありました。市役所も冷房を抑えられており生暖かい部屋での会合で、それが特別悪いのかというとそうでもない気もいたします。夏に涼しいのが当たり前みたいなほうが、普通ではないので、暑さを感じるような環境こそエコの第一歩だと思うのです。

また、体にも良いはずです。エアコンで慣れてしまうと、完全に空調の聞いた工場内や病院施設の中のようで、外に出たときに浦島太郎現象に襲われるのです。その中では快適に過ごせても、一般的な環境の中では耐性が落ちすぎていて少しも我慢できない体質になってしまいます。

エアコンに慣れてしまうと、窓を閉めて自然の空気の流れというのを閉ざしてしまっているので、少し自然が涼しさの恩恵をくれたくらいでは満足ができない体になってしまうのです。これって、肉体面だけでなく精神面も弱くなるのではないかと思うのです。どこの国でも国の成長が止まり新興国に抜かれていくのは精神面が大きいと思います。

会社に戻って夕方前に出荷を済ませて、夜には彦根の縫製工場での勉強会に参加しました。そこの会社でも、節電を行われており今は冷房を使わないようにされているそうです。日本が高度成長していたときの精神のようなものが戻ってくるのではないかと思います。また、アパレルにおいても天然繊維と合成繊維の差なんかが狭まってきた昨今ですが、この夏は、その差なんかも実感できる夏になるのではないでしょうか。自然の環境に近い流れの中で、麻と綿の差なんかも味わっていただけそうです。
2011年07月14日
欧米輸出商談会の一人のバイヤーさんは、ハンガー200点あまりから14点をピックアップされました、すべてが本麻のものです。実は似たようなものが200点のハンガーの中にはまぎれているのですが、そういう微妙な違いを判別されて、自分のほしいと思う本麻のものだけを手の感触だけで選ばれるのがさすがだなあと感じるのです。

またイタリアのバイヤーさんはにおいを嗅いで素材を見分けられていました。実際に、素材ごとに匂いが違うのです。私も時々シルクなどはどうしてもセシリンの匂いがしますので綿のものと見分けるときに匂いを使います。合成繊維なんかのものと天然繊維では匂いが異なります。

素材を見分けるのは感覚的なものですので、リネンとラミーの違いや、麻と綿の違い、など、一般的に教科書に書いてあるような文章で書いてある感覚の違いが、どこまで自分が五感で判別できるかが大事だと思います。私自身も出来上がった生地の違いを判別するだけでなく、糸を見て糸の種類を判別することが多いのでそういう判別ができないと駄目だろうなあと思います。

今日は、インディゴ染めの糸が2色上がってきました。濃い目に色をつけてもらうようにお願いしたので、深いブルーのインディゴの生地ができるのではないかと思っています。また、秋のリネンということで少し厚手に織ってソフトに仕上げるタイプを作っているところです。
2011年07月13日
昨日の商談会では各ブランドの方がブランドイメージで商談に望んでくださった感じです。ブランドのテイストがまったく違ったので、6社のうち唯一林与のサンプルスワッチのセレクトなどはなかったのですが、ザブルックリンサーカスの代表兼クリエーティブディレクターのウィージ・セオドア氏はユーモアもたっぷりでした。

林与のブースで、一番最初に、生地ではなく、プレゼント用のリネンキッチンクロスが何なのか興味を持ってくださり、私が一枚広げながら古いシャトルで織ったハンカチですと説明をして一枚新しいのをプレゼントすると喜んで下さり、早速袋をやぶってポケットにしまいこんでくださいました。(「リネンでつくる小物」の全員プレゼントと同じタイプのキッチンクロスで、ハンカチーフにも使えるタイプです)コンプリメンタリーな部分ももちろん含んでいていてくださるのでしょうが、ニューヨークのアーティストの方というのは非常にフレンドリーです。帰りがけにも、テーブルの上においてあった上島先生のリネンの本に興味を持ってくださって2種類プレゼントしました。

日本語は読めないといっておられましたが、素材のプロ中のプロの方なので、写真がたっぷりなリネンの世界というのを楽しんでもらえると思います。林与とはブランドのテイストが違いますのでお仕事は無理なんじゃあないかと思いますが、楽しいお出会いでした。ほんと、終了間際のお出会いで時間にせかされてしまって、もうちょっとお話したかったけど残念でした。

ハンガーの生地だけだと残念なお出会いになっていたかもしれませんが、リネンキッチンクロスやリネン本のおかげで、まったく違うテイストのブランドさんともお話が広がるというのはありがたいことです。今回は、AW向けのセレクトのシーズンということで、林与自身もその点をお断りした上で生地を見ていただいたのですが、皆さん、その次のSSのシーズン向けにということで観てくださいました。海外からわざわざ日本の生地を選びに来てくださるというのは、素材そのものの好みよりも、日本的なものを海外の方が探そうと動いてくださっているのだなあと、今回の欧米ブランドの皆様の優しさから伝わってきました。

顎鬚がゴージャスなウィージ・セオドア氏が、リネンクロスやリネン本に興味を示してくださったのは意外でしたが、リネンだけでなく織物の世界というのは、国境を越える、人と人とのつながりを生むようなアットホームな世界なんだと思います。商売だけではない、人類や日本の歴史的な憧れや楽しみの世界が裏にはあったりするので、世界中のどこにでも織物はあって大事に守られているのだと思います。欧米の方との商談会は、優しさというか暖かさ満ちているのです。
2011年07月12日
今日は、朝からJETROさん主催の欧米テキスタイル輸出商談会の準備をして、昼から大阪のホテルの会場に向かいました。

Alexander Wang(アレキサンダー・ワン) 、 a.a. antonio azzuolo(アントニオ・アズーロ),The Brooklyn Circus(ザ・ブルックリン・サーカス)、Carta e Costura (カルタ・エ・コストゥーラ) 、Fontana Couture Milano(フォンターナ・クチュール・ミラノ) 、Ozwald Boateng(オズワルド・ボーテング) の来日くださった全社とお話しする機会をいただきました。

ヨーロッパの2社のスワッチに関しましては、税関などでのプロフォーマインボイスなど送付の手続きが煩雑になりがちですので、会場でカットして生地を先にお渡しして、後からメールで詳細をフォローさせていただく形を取りました。これが便利な方法です。

引き続きリネンの超高密度物というのは欧米において高級が許されるゾーンでは非常に高く評価をいただいているのを感じます。しかし、今回は、今までにない傾向も強く感じることができまして、ヨーロッパの生地のトレンド自体にもかなり変化が出てきているのではないかと思いまして、その部分に関してはリネンや麻が得意とする分野ですので楽しみにしています。ヨーロッパの3社が同じテイストの素材をセレクトされておりました。
2011年07月11日
先週、知り合いの方がステテコを作ってくださいました。本麻のステテコがなぜかしかしかするのです。違和感があって、どうしたものかと洗濯機で強めに水洗いしました。水洗いしたものをもう一度洗ってもまだチクチク感があります。今まで、本麻で甚平や作務衣を作ったことがありましたが、こんなことはなかったので考えました。

今日、午後から滋賀県の中央会の方がお見えくださいました。直前に工場で作業をしていたので、シャワーを浴びてから、上にシャツ下にステテコです。同じステテコでも、それがなぜか良い感じ、考えてみると、本麻のステテコをエアコンの効いた部屋においてあったので、麻の水分率が下がってしかしかし始めていたようです。麻のものというのは、本来エアコンとは相性が合わないものなのです。

実際に、麻というのはリネンにしろ本麻にしろ、テンターで高温処理されますので加工上がりは水分が飛んでしまっていて風合いが悪くシカシカするのが普通です。数週間寝かせるとしっとりとしていて良い感じなのです。乾燥してしまっていると肌当たりはよくありません。少し汗ばむような外の陽気の下で着るのが一番自然なのかもしれませんね。

昔は本麻のものが夏に飛ぶように売れた背景には、エアコンのない時代だったからかもしれません。汗ばむような夏に、その汗を吸収してしかもソフトな肌当たりになる本麻のものというのは夏にはもってこいの素材だったのでしょう。今のエアコンの時代には、汗ばむことは少ないので、今はソフトなリネンのほうが日本でも受け入れられやすくなったのかとも感じます。

工場の中では、先日筬の裏表を直しまして調子よく織れた台がまた調子悪く、織機に聞いてみると巻き取りローラーの緩みが原因でした。織機を観るときは医者さんのような気分です。生地というのはいろいろな問題が伴うもので、特に特殊な規格の生地を手がけるときには負荷が掛かって普段見えてこないことが問題になってくるものです。
2011年07月10日
織物そのものの歴史を考えてみると、近江での歴史は室町幕府時代ということがいわれていますが、実際には、それ以前の人々が服を着ていなかったのかといわれると服は着ていたのですからそれ以前も織物はあったと考えます。

これは世界のどこの文化にも織物文化があるのと似ていて交易される前からその地では消費されているのです。同じものなら別にわざわざ交易することもなく、特殊なものとなって初めて交易されるにいたるだけのことで、交易されても区別が付くというものです。

織物というのがすべて上布なのかというと上布ではない世界から始まっています。私自身は、庶民の間では、カラムシが着物用に使われ、大麻が座布団や布団などに使われたのではなかろうかと考えています。竹や葦などもそうですが編むのに近い作業から始まっているものも多いのではないかと思います。

昔のものが着心地が良かったのかというと、洋服用途に関して言えば、今の日本人からしても本麻よりもソフトなリネンを好む傾向がありますので、今の日本人が昔のものを着て着心地がよいというのはあまり感じないと思います。そんな中で、上布物には特に細い糸が使われたりして、特別のしなやかな世界を生み出して実感できる別世界があったのだといえます。